株式会社ユー・エス・エス/上田写真製版所 ブログ

文字校正
2026/2/10

◆よろん?せろん?―選挙ニュースで気になった「世論」の読み方


こんにちは。東京・文京区護国寺を拠点に、社内報や広報誌、会社案内、Web制作まで手がけている、株式会社ユー・エス・エスです。

選挙シーズンになると、テレビや新聞、ネットニュースでよく目にする言葉があります。
それが「世論調査」。

候補者の支持率や政策への意見を伝える場面で、当たり前のように使われている言葉ですが、
ある日ふと、こんなことが気になりました。

「……これって、“よろん”だっけ?
それとも、“せろん”?」

普段は意識せずに受け取っている言葉ほど、
立ち止まって考えると、急に自信がなくなるものです。

今回は、そんな小さな引っかかりから始まった、日本語の雑学コラムです。


「世論」を辞書で調べてみると、少し不思議な関係が見えてきます。

多くの辞書では、

  • 「よろん」 → 「輿論」と書く
  • 「せろん」 → 「世論」と書き、「よろん」とも読む

といった説明がされています。

広辞苑では、「世論」はもともと「輿論」の代わりに用いられる表記、とされています。

つまり、
意味としてはほぼ同じものを指しながら、表記と読みが入り組んでいる言葉
だということがわかります。

一方、ニュースを聞いていると、
「世論調査」は「よろんちょうさ」と読まれていることが多い印象があります。

記者ハンドブックなどを見ると、「よろん」は載っているものの、
「せろん」が見当たらない場合もあり、
現場では「よろん」という読みが慣習的に使われてきた背景がうかがえます。

文字は「世論」、読みは「よろん」。
この少しズレた感じも、日本語らしいところです。

ここまで調べてみて感じたのは、
「どちらが正解か」を一言で決めるのは、意外と難しいということ。

「世論/輿論」は、

  • 歴史的な表記の変遷
  • 場面ごとの慣習
  • 音のなじみやすさ

などが重なって、
読み方が揺れながら使われてきた言葉なのだと思います。

文章を扱う仕事をしていると、
こうした「読みと表記がずれる言葉」に出会うことは少なくありません。

無理に一つに決めつけるよりも、
「なぜそう読まれているのか」
「どんな場面で使われているのか」
を意識することのほうが、大切な場合もあります。


「世論調査」という言葉を見て、
読み方が少し気になった――
それだけのことでも、調べてみると、言葉の奥行きが見えてきます。

日本語には、
揺れを含んだまま使われ続けている言葉が、実はたくさんあります。

正しさを断定するより、
「そういう背景があるんだな」と気づくこと。
それも、言葉と付き合う楽しみのひとつなのかもしれません。

次に「世論調査」という言葉を耳にしたとき、
少しだけ、今日の話を思い出してもらえたらうれしいです。


言葉の読み方や表記には、
辞書だけでは割り切れない「揺れ」があるものです。

私たち株式会社ユー・エス・エスは、
東京・文京区護国寺を拠点に、
社内報・広報誌・会社案内・Web制作などを通して、
言葉と情報を「伝わるかたち」に整える仕事をしています。

校正や編集の現場では、
今回の「世論/よろん・せろん」のように、
「どちらかが間違いとは言い切れないけれど、気になる」
そんな言葉にも日々向き合っています。

このブログでは、
制作や校正の現場で感じた小さな気づきや、
言葉にまつわる話題も、折に触れてご紹介していく予定です。

文章づくりや表記でお悩みのことがありましたら、
どうぞお気軽にご相談ください。

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