株式会社ユー・エス・エス/上田写真製版所 ブログ

ー豆知識
2025/11/20 2025/11/21

◆クリスマス前の贈りもの──「Toy for Tots」に見る、伝える想い

クリスマス前の贈りもの──「Toy for Tots」に見る、伝える想い
クリスマス前の贈りもの──「Toy for Tots」に見る、伝える想い


こんにちは。
東京文京区護国寺にある、広報誌の企画から取材撮影、編集デザイン、文字校正、印刷&Web展開までトータルでお手伝いしている株式会社ユー・エス・エスです。

今回の記事は、当社に職場体験にいらした方が書いてくれた原稿をもとに作成しています。
当社では、東京しごとセンター様を通じて、女性を対象とした職場体験を2014年より継続的に受け入れています。2025年10月までにのべ385名の方が参加し、それぞれの新しい一歩を応援してきました。


街のショーウィンドウに、クリスマスの飾りが並びはじめました。
11月の冷たい空気の中で、ツリーの灯りが少しずつ街を温めていきます。

人に「機会」を贈ることも、ひとつの“贈りもの”。
そんな想いから、この冬は海外の寄付文化「Toy for Tots(トイ・フォー・トッツ)」をご紹介します。
日本ではあまり知られていませんが、アメリカでは70年以上続く、心温まる取り組みです。

●ひとつの人形から始まった、思いやりの輪

「Toy for Tots」は、1947年にアメリカ・ロサンゼルスの海兵隊少尉によって始まりました。

きっかけは、ひとつの手作り人形でした。
アメリカ海兵隊少尉ビル・ヘンドリックスの妻が、その人形を貧しい子どもたちに贈ろうとしたところ、受け入れてくれる団体が見つかりませんでした。
そこで少尉は、“誰かがサンタの代わりにならなければ”と感じ、
仲間たちとおもちゃを集めて孤児たちに届けたのです。
その小さな行動が評判を呼び、翌年から全米の海兵隊で正式な活動となりました。

「Toy for Tots」という名前には、
「子どもたち(Tots)におもちゃ(Toys)を」という願いが込められています。
毎年クリスマス前になると、アメリカのスーパーや郵便局、モールの一角に大きな寄付箱が置かれます。
誰でも立ち寄って、新しいおもちゃをひとつ箱に入れるだけ。
たったそれだけの行動が、子どもたちの笑顔を生み出します。

●贈るという行為のなかにある“時間”

Toy for Totsでは「新品のおもちゃを寄付する」ことがルールです。
それは、もらう子どもたちに“自分のための贈りもの”という喜びを感じてほしいから。寄付というより、プレゼントを贈る気持ちに近いのかもしれません。

おもちゃを選ぶ時間、ラッピングをほどく瞬間。
どちらにも、人の想いがこもっています。
贈りものとは、単なる“物”ではなく、“誰かを思う時間”そのもの。

お金の寄付ももちろん尊いけれど、
相手を思い浮かべながら選ぶ手間には、心の温度があります。
アメリカでは、見知らぬ誰かに贈りものをするこの習慣が、人と人の距離をやさしくつなげています。

●“贈る心”と“伝える仕事”

誰かの笑顔を思い浮かべながら行動する――。
Toys for Tots の原点は、そんな“贈る心”にあります。
ひとつのおもちゃを選ぶ時間や、それを箱に入れる瞬間には、
「相手に喜んでほしい」という想いが込められています。

私たちが広報やデザインの仕事で大切にしているのも、
まさにその“想いを込める”ということ。
広報誌のタイトルを考えるときも、パンフレットの写真を整えるときも、
そこには「どんな言葉なら届くだろう」「どうすれば気持ちが伝わるだろう」という想いがあります。

Toys for Tots が「手渡す喜び」を生み出したように、
私たちの仕事もまた、“言葉やデザインを通して想いを届ける”こと。
それは、形の違う“贈りもの”なのだと思います。

●ものづくりは、静かな贈りもの

街のイルミネーションが灯ると、人の手でつくる“あたたかさ”がいっそう際立ちます。おもちゃを箱に入れる手も、チラシをデザインする手も、どちらも「誰かのために」という気持ちに動かされています。

贈ること。
伝えること。
そのどちらにも、人の温度があります。

今年の冬も、私たちは“伝わる表現”というかたちで、
静かな贈りものを届けていきたいと思います。

「Toy for Tots」
「Toy for Tots」

株式会社ユー・エス・エス
広報誌・パンフレット・撮影・編集・デザインまで、
“伝わる表現”をトータルでお手伝いしています。

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