写真を撮ったとき、「なんだか印象が違うな」と感じたことはありませんか?
実は、肌の色は人の印象にとても大きな影響を与えています。
そして、レタッチで肌色を補正することで、その印象を自分の理想に近づけたり、コントロールすることもできるんです。
今回は、そんな「肌色が人の印象に与える影響」と「自然な肌色補正のレタッチ方法」について、写真のプロの視点から分かりやすくお話しします。
「もっと魅力的に見せたい」「自然な仕上がりにしたい」と思っている方は、ぜひ参考にしてみてください!
肌色で変わる人の印象
肌の色は、写真を見る人にさまざまな印象を与えます。たとえば、同じ人物でも肌色が少し違うだけで、雰囲気や魅力の伝わり方が大きく変わってくるものです。
どんな肌色がどんなイメージにつながるのか、具体的に見ていきましょう。
たとえば――
- 色白の肌
清潔感があり、上品で優しい印象。「色の白いは七難隠す」という諺があるように、日本では美白志向が強い傾向にあります。 - 日焼けした褐色の肌
活動的で健康的、明るく若々しいイメージ。欧米では健康美の象徴とされ、日本でもスポーツやアウトドア好きな方には人気です。 - 黄みがかった肌
日本人や東アジア人に多い肌色ですが、黄みが強すぎると「くすんで見える」「疲れて見える」といった印象につながることも。 - 赤みがかった肌
血色が良く健康的な印象を与えますが、赤みが強すぎると「炎症」や「のぼせ」といったイメージにも。日本人や東アジア人は赤みに比較的寛容な傾向があります。 - 青みがかった肌
クールで都会的な印象ですが、度が過ぎると不健康そうに見えることもあります。
このように、肌色が与える印象は文化や個人の好みによっても大きく異なります。
肌色補正レタッチの基本
写真をより魅力的に仕上げるためには、肌色のレタッチがとても重要です。レタッチソフト(PhotoshopやLightroomなど) を使って肌色を補正する方法はいくつかありますが、大事なのは「やりすぎないこと」が自然な仕上がりのポイント。
ここでは、プロが実践しているレタッチのコツを分かりやすくまとめました。
全体の肌色を整えるには…
- HSL/カラーミキサー
肌の黄みや赤みが気になる場合は、色相や彩度を細かく調整。たとえば黄みが強ければ黄色の彩度を下げる、赤みが気になる場合は赤の彩度や色相を調整するなど、バランスを見て仕上げます。 - カラーバランス
全体的な色かぶりや、特定の色味をシャドウ・中間調・ハイライトごとに細かく調整できます。 - ホワイトバランス・色温度補正
写真全体の色の偏りを補正。肌色が不自然に見える場合は、まずここをチェック!
気になる部分の補正には…
- 修正ブラシ・スポット修正ツール
シミやニキビなど、気になる部分だけを自然にカバーします。 - テクスチャ・明瞭度の調整
肌をなめらかに見せるために使いますが、かけすぎると「のっぺり」した不自然な印象になるので注意。Lightroomの「テクスチャ」スライダーを左にスライドさせることで、肌を滑らかにする効果が得られます。 - トーンカーブ
明るさやコントラスト、色味の微調整に便利。特定の色(R,G,B)をピンポイントで調整できるので、目の下のクマや赤みなどにも効果的です。 - ハイパスフィルター(Photoshop)
肌の質感を残しつつ、なめらかに見せるプロのテクニックです。レイヤーマスクを使って、必要な部分だけに効果を適用できます。
自然なレタッチのためのポイント
- やりすぎ注意!
肌の質感を消しすぎると「人形」のような不自然さが出てしまいます。シミや肌の粗を完全に消すのではなく、目立たなくする程度にとどめましょう。 - レイヤーマスク・不透明度を活用
部分的な調整や、補正の強さを微調整するのにとても便利です。 - 細部までチェック
拡大して細かい部分まで確認し、全体のバランスも見ながら仕上げましょう。 - Before/Afterを比較
元画像と見比べて、やりすぎていないか確認することが大切です。 - 立体感を意識
色だけでなく、ハイライトやシャドウも意識して、顔の立体感が損なわれないようにしましょう。
肌のレタッチは、被写体の魅力を引き出し、写真の印象を大きく左右する重要な工程です。どんな肌色も、その人らしさや個性を大切にしながら、上記の点を参考に、自然で美しい仕上がりを目指してみてください。
ユー・エス・エスでは、自然で美しい仕上がりを心がけて一枚一枚丁寧にレタッチしております。