
原稿依頼の“しかた”を工夫するだけで、社内報づくりは驚くほどスムーズになります。
誰に、いつ、どのようにお願いするか──段取りと伝え方を押さえれば、忙しい職場でも協力が得やすくなります。
こんにちは。
東京・文京区護国寺にある、社内報づくりを企画から取材、デザイン、校正、印刷までトータルでお手伝いしている株式会社ユー・エス・エスです。
これまでのシリーズでは、社内報の目的や企画の立て方、編集会議の進め方など“基本の考え方”を中心に紹介してきました。
今回からは、いよいよ「実践編」。
現場で実際に動かすうえで欠かせない「原稿依頼」「取材」「撮影」などの段取りや工夫を、シリーズで取り上げていきます。
まず第16回では、社内報づくりのスタートライン──原稿の集め方と頼み方について、現場で役立つコツを紹介します。
社内報を担当すると、避けて通れないのが「原稿依頼」と「回収」。
ほとんどの場合はきちんと集まりますが、繁忙期や締切が重なる時期には、やり取りが滞ることもあります。
大切なのは“どう伝えるか”と“いつ動くか”。
今回は、依頼から回収までを円滑に進めるための段取りと工夫についてです。
A1. 原稿依頼でのトラブルは、「目的が伝わっていない」「依頼のタイミングが遅い」「想定より作業量が多い」といった“段取りのすれ違い”が原因のことが多いです。
たとえば──
これらは相手が非協力的なのではなく、依頼内容がイメージしづらいために後回しになってしまうだけです。
🗂 伝えるべき3つのポイント
さらに、依頼の背景を少し添えるだけでも理解が深まります。
「来月号は“チーム力”をテーマにしています」など、全体像を示すと、執筆者が内容を考えやすくなります。
💡 POINT
依頼を“お願い”ではなく“共有”と考えましょう。
目的と背景を明確に伝えることで、原稿はより主体的に集まります。
A2. 忙しい人に「書いてください」とだけ伝えると、負担に感じることもあります。
“書いてもらう”ではなく、“話を聞かせてもらう”や“まとめはこちらで行う”など、ハードルを下げる工夫が効果的です。
📩 依頼メールの例
件名:次号特集「○○」へのご協力のお願い
○○さん
いつもありがとうございます。次号の社内報では「○○」をテーマに、現場での工夫を紹介する予定です。
○○さんの取り組みをぜひ取り上げたいと考えています。
お手数ですが、簡単なコメントを200〜300字程度で○月○日(金)までにご返信いただけますでしょうか。
もし文章化が難しければ、こちらでお話を伺ってまとめます。
どうぞよろしくお願いいたします。
このように「なぜお願いしたいのか」「どのようにすればよいのか」を示し、選択肢を用意しておくと、協力を得やすくなります。
また、提出後には「ありがとうございました。誌面が完成したらお渡しします」とお礼を添えると、次回も快く応じてもらえる確率が上がります。
💬 POINT
「この人ならではの視点を紹介したい」という言葉が一番のモチベーション。
感謝と理由をセットで伝えるのが基本です。
A3. “催促”ではなく“段取り”で解決するのが理想です。
社内報担当者は締切を逆算して、少し余裕を持ったスケジュール設定を心がけましょう。
📅 目安となる進行イメージ
スケジュールを可視化して共有することで、
「今どの工程にいるか」が全員に伝わりやすくなります。
もし提出が遅れそうな人がいても、「○○ページに掲載予定なので、できれば○日までに」と具体的な掲載目的を伝えると、納得してもらえることが多いです。
進捗確認のメールも、催促ではなくサポートの声かけとして送るのが良いでしょう。
💡 POINT
原稿集めは“信頼関係”がベース。
スケジュールの共有と感謝の言葉が、次号の協力へとつながります。
Q. 原稿をお願いするタイミングはいつが理想ですか?
A. 発行日の約1か月前が目安です。余裕を持って依頼し、締切を制作スケジュールより1〜2日早めに伝えると安心です。
Q. 忙しい人に頼むのは気が引けます……
A. 「お忙しいところ恐縮ですが」ではなく、「ぜひ○○さんの取り組みを紹介したい」と前向きな理由で伝えましょう。相手の強みを認める依頼は断られにくくなります。
Q. 社員のコメントが短すぎる/長すぎる場合は?
A. 編集側で軽く整えて構いません。削除や修正が大きい場合は、掲載前に確認を取ると信頼を損ねません。
社内報の制作には、企画力と同じくらい“人とのつながり”が大切です。
株式会社ユー・エス・エスでは、取材・執筆・デザイン・校正までをトータルにサポートし、
担当者さまが社内とスムーズに連携できる仕組みづくりをお手伝いしています。
護国寺を拠点に、伝えたい想いをチームで形にする社内報づくりをこれからも支援してまいります。