
こんにちは。
東京・文京区護国寺を拠点に、編集・デザイン・校正・Web制作まで幅広く手がけている、株式会社ユー・エス・エスです。
日々、原稿や広報資料を見ていると、
「この言葉、どちらの漢字が正しいのだろう?」と迷う場面に出会うことがあります。
今回取り上げるのは、そんな“似ているけれど意味が違う言葉”のひとつ、
「流出」と「流失」です。
一見すると、どちらも「何かが外に出てしまった」という意味に見えますが、
実はこの二つの言葉には、明確な意味の違いがあります。
「え、そうだったの?」と思われた方も、
「なんとなく気になっていた」という方も、
ぜひ一度、整理してみましょう。
流出(りゅうしゅつ)とは、
本来あるべき場所から、外へ流れ出てしまうことを意味します。
よく使われる例を見てみましょう。
このように、「流出」は、
といった、形のあるもの・ないものの両方に使える言葉です。
ポイントは、
「外部へ出てしまったこと」そのものに焦点が当たるという点です。
たとえば「個人情報流出」と言えば、
「本来社内にとどめるべき情報が、外部に漏れた」という意味がはっきり伝わります。
一方、流失(りゅうしつ)は、
水などの流れによって、物が流されて失われてしまうことを意味します。
代表的な使い方は、次のようなものです。
ここで使われているのは、すべて
物理的に存在するものです。
「流失」という言葉には、
「流されて、もう元に戻らない」というニュアンスが強く含まれています。
二つの言葉の違いを整理すると、次のようになります。
| 用語 | 意味 | 主な対象 |
|---|---|---|
| 流出 | 外に流れ出る | 情報・お金・物質など |
| 流失 | 流されて失われる | 家屋・土地・構造物など |
この違いを当てはめると、
という関係になります。
「情報流失」という表現を時折見かけますが、
厳密には「水に流されて消えた情報」のような不自然な意味になってしまいます。
企業の広報文や謝罪文、プレスリリースで、
個人情報が流失しました
と書いてしまうと、
「失われた」という意味合いが強くなり、
「外部に漏れた」という事実がぼやけてしまいます。
一方、
個人情報が流出しました
と書けば、
「社外に漏れた」という事実が正確に伝わり、リスクの所在も明確になります。
とくに、
といった分野では、
言葉の選び方がそのまま企業の信頼性に直結します。
「流出」と「流失」は音が似ているため、
感覚的に混同されがちです。
しかし、広報や社内報、IR資料などでは、
「なんとなく」では済まされません。
読み手にとって、
起きたのかを正確に伝えるためにも、
この二つの言葉はきちんと使い分ける必要があります。
「情報」「データ」「お金」を扱う場面では、
基本的に 「流出」 を使うのが正しい表現です。
言葉を正しく使うことは、
単なる国語の問題ではなく、
企業の信用を守る実務の一部でもあります。
ちょっとした言葉の違いですが、
ぜひ意識して使い分けてみてください。
株式会社ユー・エス・エスは、社内報や広報誌、Webサイトなどの制作において、言葉の正確さや表記の統一を大切にしています。
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