
補助動詞は、文章の読みやすさを左右する「とじひらき」の代表ポイントです。
「行く/いく」「置く/おく」「欲しい/ほしい」のように、
動作としての意味がある場合と、補助的に使われる場合 があり、
これらがゆれると読者の理解を妨げます。
本稿では、補助動詞の役割、漢字とひらがなの判断基準、
社内報で特に多い誤りの例、そして統一の考え方を整理します。
こんにちは。
東京・護国寺で社内報・広報誌の編集・校閲・デザイン制作を行う
株式会社ユー・エス・エスです。
社内報原稿を読んでいると、次のような表記に迷うことはありませんか?
こうした語は形が似ているため、初見では判断しづらいものです。
しかし、補助動詞の“役割”を押さえておくと、表記は驚くほどスムーズに統一できます。
補助動詞の最も大きな特徴は、
それ単体では動作として成立せず、本動詞の意味に付加情報を与えること です。
補助動詞は、本動詞の後につき、次のような意味内容を示します。
これらはもともと自立した動詞ですが、補助動詞として使われると
本来の意味はほとんど失われ、文法的な役割だけを果たす語になります。
補助動詞は“行為としての意味”を持たず、文法情報を補う語のため、
現代の実務文書ではひらがなにするのが基本です。
漢字にしても誤りではありませんが、
といった理由から、社内報のように読みやすさを重視する文書では
ひらがな表記に統一するほうが適切といえます。
次のように “行為そのもの” を示す場合は、補助動詞ではなく本動詞なので漢字にします。
👉 補助動詞か本動詞かの判断基準は
“そこに動作があるかどうか” です。
補助動詞まわりは、“誤り”ではなく“表記の不統一”が最も起きやすい部分です。
以下は、特に誤用の多い例を整理したものです。
Before
ご協力頂き、誠にありがとうございました。
急ぎご連絡致します。
After
ご協力いただき、誠にありがとうございました。
急ぎご連絡いたします。
Before:早めに共有して欲しいです
After:早めに共有してほしいです
Before:資料を確認して置いてください
After:資料を確認しておいてください
Before:活動を広げて行きます
After:活動を広げていきます
Before:ファイルを削除して仕舞いました
After:ファイルを削除してしまいました
Before:ご覧下さい
After:ご覧ください
A|原則ひらがな。ただし、社内の表記方針がある場合(社長あいさつは原文ママ等)は方針を優先します。
A|“動作の有無”で補助動詞と本動詞を判断し、補助動詞ならひらがなに統一します。
媒体の表記ルールに明記すると再発防止になります。
A|丁寧さは漢字かどうかではなく、文脈で決まります。
補助動詞はひらがなのほうが読みやすく、現代文では一般的です。
補助動詞は、本動詞の動作に「状態」「結果」「依頼」「受益」などの情報を加える語です。
文章の主役ではありませんが、ここがゆれると“違和感”が大きくなります。
この3つを押さえるだけで、社内報は格段に読みやすくなります。
株式会社ユー・エス・エスでは、
社内報・広報誌における表記統一・校正・編集サポートから、
デザイン、写真補正、印刷、Web展開まで
一貫してご支援しています。
「読みやすさをもっと高めたい」
「校正の基準を整えたい」
「制作フローを効率化したい」
といったニーズにも柔軟に対応いたします。
お気軽にご相談ください。