
こんにちは。東京文京区 護国寺の株式会社ユー・エス・エスです。
社内報の校正で見落とされがちなのが、文章以外の情報──つまり図表・写真・キャプションです。
図表は「本文の補強情報」のように扱われますが、読者にとっては本文と同じ“記事そのもの”。
本文が正しくても、グラフの値やキャプションが間違っていれば、読者は記事全体の信頼性に疑いを抱きます。
しかも現場では、
校正の役割は、誤字脱字を直すだけではなく
「読者が誤解なく受け取れる状態」
に整えることにあります。
図表・キャプションまで含めた整合性確認は、その核心に位置します。
図表・キャプションは、本文と独立して作られることが多く、
「本文を直したのに図やキャプションが古いまま」というミスが頻発します。
実際の制作現場では、
といった“分断”が起きやすいもの。
しかし読者にとっては、本文・図表・キャプションは ひとつの情報。
どこかひとつでも古い、誤っている、説明がズレていると、
記事の信頼性全体が損なわれてしまいます。
だからこそ校正では、
本文→図表→キャプション→本文に戻る
のように、必ず往復しながら“整合性”を見ることが重要です。
これらは「誤植」とは別の種類のリスクであり、品質管理の問題として読者に受け止められます。
Before
本文:今年度の売上は120億円となりました。
グラフ:売上高=118億円と表示
After
本文:今年度の売上は118億円となりました。
グラフ:売上高=118億円
👉 一方だけを直してもう一方が取り残される、実務で非常に多いケース。必ず「二面照合」で確認。
Before
本文:新社屋落成式を実施しました。
写真キャプション:旧本社前での集合写真
After
本文:新社屋落成式を実施しました。
写真キャプション:新社屋前での落成式集合写真
👉 本文が更新されたのにキャプションが旧情報のまま残る、典型的エラー。
Before
本文:省エネ設備を導入しました。
図表タイトル:省エネルギー設備導入実績
After
本文:省エネ設備を導入しました。
図表タイトル:省エネ設備導入実績
👉 文中語と図表見出しが異なると、別物として認識されかねません。
Before
本文:新制度は2025年4月から全社で適用されます。
グラフ凡例:〈2024年試験導入〉と表記
After
本文:新制度は2025年4月から全社で適用されます。
凡例:〈2025年全社導入〉に統一
👉 タイトル・本文・凡例の三点照合が必要。凡例のみ旧情報が残りがち。
Before
本文:CO₂排出量は前年比で10%削減しました。
図表:0.92倍 とだけ表示
After
本文:CO₂排出量は前年比で10%削減しました。
図表:前年比 10%削減 と表記統一
👉 本文が「%」なのに図表だけ「倍率」だと読者が計算を強いられる。軸統一が必須。
社内報の実務では、以下の順に照合することで漏れが激減します。
1)一次情報(元データ・決裁済み事実)
2)本文(これを基準軸に確定)
3)図表(数値・用語・単位を本文に合わせる)
4)キャプション(写真の実体と本文の整合)
5)凡例・脚注(置き去り防止の最終チェック)
この「順に見る」視点がないと、校正を何周重ねても整合しません。
実務に落とし込むとしたら、次の3つだけで劇的に改善します。
工程で縛ることで、個人の注意力に依存しない運用になります。
社内報の校正は、文字だけを見る作業ではありません。
本文・図表・キャプションを「別のもの」と考えるのではなく、
読者が目にする時には “ひとつの情報体” として機能する
という前提で整合を取ることが大切です。
図表やキャプションまで視野に入れてこそ、
“読み手に正しく伝わる誌面” が完成します。
A|見た目ではなく“情報の中身”と“本文との整合性”を必ず確認します。
図表は差し替え時に中の数値や名前が変わることがあります。
状況に応じて判断するのが最も現実的です。
図表が記事の核心に関わる場合は、面倒でも“すべての数字を確認すべき”ケースがあります。
一方で、補足的な位置づけの図表であれば、本文で触れている数字や、目立つ・重要な項目を優先するだけで十分な場面もあります。
また、校正の段階によっても深さは変わります。
まずは図表が記事全体の中でどの役割を持つのか、そして今がどの校正段階なのかを踏まえて、必要な範囲で確認することが大切です。
A|重複が問題になる場合と、むしろ必要な場合があります。
キャプションは補足説明なので、内容が本文と似ることは自然です。
ただし、
キャプションは「本文を読まなくても写真の意味がわかる」ことが目的のため、
本文の要点を短く繰り返すのは問題ではありません。むしろ一般的です。
ただし、次のような場合は修正したほうが読みやすくなります。
逆に以下の場合は、重複していても自然です。
つまり、「重複=悪」ではなく、
写真や図版の役割に合わせて“どこまで重ねるか”を調整するのがポイントです。
株式会社ユー・エス・エスは、
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