株式会社ユー・エス・エス/上田写真製版所 ブログ

文字校正
2025/11/18 2026/1/15

◆校正で押さえておきたいチェックポイント⑩ 冗長表現・意味の重複をなくす ― “伝わりやすさ”を阻むムダを見抜く

冗長表現・意味の重複をなくす ― “伝わりやすさ”を阻むムダを見抜く

■ 記事の概要

社内報や広報誌では、正しいことを書いていても「文章が長い」「読みにくい」と感じられてしまうことがあります。その多くは、同じ意味を重ねて書いてしまう“冗長表現” が原因です。
冗長表現は誤りではありませんが、読み手の負担を大きくし、文章の印象を重くします。今回は、校正の中でも重要な「冗長表現・意味の重複」をどう見極め、どう整えるかを解説します。


こんにちは。
東京文京区・護国寺で、企業コミュニケーションツールの編集・校正・デザイン制作を行っている株式会社ユー・エス・エスです。

社内報の原稿は、複数の担当者が関わることが多く、文のクセや書き方が混ざり合うため、意図せず冗長になる傾向があります。

  • 言い換えを重ねてしまう
  • 動詞や効果の表現が重複する
  • 背景説明が二重になる
  • 主語が長すぎて文章が重くなる

こうした冗長表現は “削る作業” ではなく “整理する校正” が必要です。


■ 冗長表現とは?

冗長表現とは、ひとつの意味に複数の表現を重ねてしまうこと
情報量は増えていないのに、文だけが長くなります。

よく見られる傾向としては——

  • 同じ意味の言い換えが続く
  • 効果の説明が二重になる
  • 動詞と名詞の組み合わせで意味がかぶる
  • 主語の説明が長すぎてリズムが崩れる

校正の役割は、“伝える内容”を変えずに、
“過剰な部分だけ” を整理することです。


■ よくある冗長表現とその整え方

✏️ 校正例1|言い換えが続いて文章が重い

Before
今回の研修では、コミュニケーションの大切さについて理解を深める学びを得ることができました。
After
今回の研修では、コミュニケーションの大切さについて理解を深めました。

👉「理解を深める」+「学びを得る」は同じ意味を二重に説明しているパターン。

✏️ 校正例2|似た効果の説明が二重になる

Before
新システムの導入により業務効率が向上し、作業時間の短縮が実現しました。
After
新システムの導入により業務効率が向上しました。

👉「業務効率の向上」と「作業時間の短縮」は実質同じ効果。どちらか一方で十分。

✏️ 校正例3|動詞+名詞の“意味のだぶり”パターン

Before
ご意見を伺うヒアリングを実施しました。
After
ご意見を伺うヒアリングを行いました。
(または「ご意見を伺いました」も可)

👉「伺う(聞く)」+「ヒアリング(聞く)」+「実施(行う)」の三重表現。
 目的に応じて1つに整理すると自然な文章に。

✏️ 校正例4|主語が長く文章が重い

Before
総務部を中心に行われた全社横断の新プロジェクトによって、改善が実施されました。
After
総務部を中心とした全社横断プロジェクトにより、改善が進みました。

👉主語の簡潔化+動詞の整理でリズムが改善。


■ どこまで削るべき? ― “意味を削らずムダを整える”

冗長表現を整えるポイントは、
「情報は残す」「ムダだけを減らす」 のバランスです。

校正での判断基準

  • 同じ意味を繰り返していないか
  • 言い換えが続いていないか
  • 効果説明が二重化していないか
  • 主語・修飾語が過剰になっていないか

“文章の厚み”はそのままに、“重さ”だけを減らすイメージです。


■ まとめ — 冗長表現を整えると文章は一気に読みやすくなる

  • 同じ意味の重複をなくす
  • 言い換えの連続を整理する
  • 動詞+名詞のだぶりに注意
  • 主語の圧縮で読みやすさを改善

冗長表現の整理は、文章の読み心地を大きく左右する校正の重要工程
情報を減らすのではなく、伝わる形に整える作業です。


■ FAQ(よくある質問)

Q1|丁寧に書きたいのですが、冗長とどう区別すればいいですか?

A|丁寧さと冗長さは別のものです。
“丁寧に見せたい”という意識から、言い換えや補足を重ねすぎると文章が重くなりがちです。

丁寧さを保ちながら読みやすくするポイントは次の通り:

  • 丁寧語・敬語の選び方を工夫する
  • 不要な比喩や補足を足さない
  • 一文の中に複数の意味を詰め込まない
  • 主語(前置き)を長くしすぎない

「丁寧=長い」ではありません。
丁寧さは“語調”で保ち、冗長さは“構造”で削るとバランスがよくなります。

Q2|どこまで削っていいのかわかりません。判断基準は?

A|“意味が1つにまとまっているかどうか”を基準にすれば迷いません。
次の3つが判断の軸になります:

① 文の中心となる意味が1つか?
→ 同じ意味を2回言っていれば削りどころです。
② 言い換えや補足がなくても伝わるか?
→ 伝わるなら削っても問題ありません。
③ 主語・修飾語が過剰で読みにくくなっていないか?
→ 主語を短くすると文章全体が軽くなります。

校正の目的は “情報を減らすこと” ではなく “意味を清潔にすること”
削るのではなく“整理する”イメージで進めると迷いがなくなります。

Q3|削りすぎて文章が軽く見えないか心配です。調整できますか?

A|調整できます。文章の“印象”は校正で十分コントロール可能です。
冗長表現を整理した結果、文章が“素っ気なく”見える場合は、次の方法で自然に補えます。

  • 文末表現を整える(〜しました/〜となりました)
  • 適度に接続語を使って流れを滑らかにする
  • 主語の情報を少し戻して“厚み”を保つ
  • 重要な部分はあえて説明を残す

削る=そっけなくなる、ではありません。
読みやすさを確保した上で媒体に合った“濃さ”に調整するのが校正の仕事です。


■ 当社の制作サポート

株式会社ユー・エス・エスでは、編集・校正・校閲(事実確認)・デザイン・写真補正・印刷・Web展開まで一貫対応。
「文章の読みやすさを整えたい」「複数筆者の文体を統一したい」
といった課題にも柔軟に対応しています。

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