こんにちは。
東京文京区護国寺の文字校正が得意なデザイン会社、株式会社ユー・エス・エスです。
会社のパンフレットや定期発行物を手がけていると、こんな疑問を持つことはありませんか?
似ているようで、実は目的や読み手が全然違うんです。
今回は、その違いをわかりやすくご紹介します。
まずは、ざっくりとした定義から確認しておきましょう。
ぱっと見るとどちらも「お知らせをまとめた冊子」と思われがちですが、目的やターゲット(読者層)が異なるため、企画やデザインも大きく変わってきます。
項目 | 広報誌 | 機関誌 |
---|---|---|
目的 | 社外への情報発信、企業イメージの向上 | 社内・会員との情報共有と意識統一 |
読者 | 顧客、取引先、地域の方など外部の人 | 会員、社員など内部の人 |
内容 | 商品・サービス紹介、イベント案内、社外活動 | 活動報告、方針共有、専門性の高いコンテンツ |
トーン | 親しみやすく、わかりやすく | まじめで専門的な内容もOK |
発行主体の例 | 企業、自治体、学校など | 学会、組合、業界団体など |
● 自治体の広報誌「●●市報」
住民への情報提供を目的とした、地域密着型の広報ツール。
● 企業の広報誌「●●通信」
顧客や取引先、地域社会に向けて、自社の取り組みやメッセージを発信する広報誌。
● 学校法人の広報誌「●●大学ニュース」
大学の教育活動や研究成果、地域連携などをわかりやすく紹介する媒体。
● 業界団体の機関誌「●●協会だより」
専門分野の最新動向や会員の活動報告などを通じて、組織内の情報共有を行う冊子。
● 学術団体の機関誌「●●研究ジャーナル」
研究成果や論文、学術イベントの報告を通じて、知見を深め合うことを目的とした専門誌。
制作現場では、「これって、広報誌で出します?それとも機関誌?」という話になることがあります。
この違いをちゃんと理解しておくと、読者に合わせた企画やデザインができるようになります。
たとえば──
「誰に」「何を」「どう伝えるか」を明確にすれば、読者に届く表現を選びやすくなります。
実際には「広報誌だけど社内にも配布する」「機関誌だけど外部公開したい」といった中間的な使い方も多くあります。
そんなときは、「誰にいちばん読んでほしいか?」を軸にすると方向性が決まりやすくなります。
広報誌と機関誌は、それぞれ目的も読者層も異なります。
制作の現場ではしばしば混同されがちですが、この違いをきちんと押さえておくことで、ターゲットに響く誌面づくりが可能になります。
冊子の違いは、伝えたい内容と相手に合わせた“伝え方”の違いでもあるのです。