株式会社ユー・エス・エス/上田写真製版所 ブログ

■デザイン印刷百科

◆「黄色い文字」はなぜ読みにくい?広報誌デザインで避けたい“色の落とし穴

黄色い文字はなぜ読みにくい?
黄色い文字はなぜ読みにくい?


こんにちは。
東京文京区護国寺の 文字校正に強いデザイン会社、株式会社ユー・エス・エスです。

今回は、広報誌や社内報などの紙媒体を担当する広報ご担当者に向けて、「黄色い文字って、実は読みにくい」という話題をお届けします。デザインを華やかにしたいとき、つい使ってしまいがちな黄色文字。でも、印刷物では想像以上に「読まれない原因」になっていることも。

「目立つ色のはずなのに…」という声をよく聞きます。今回は、なぜ黄色い文字が読みにくいのか、避けた方がよい場面と、代わりにおすすめの工夫について解説していきます。

目立たせたいはずの黄色が、逆効果に?

黄色といえば、明るく元気な印象を持つ色。注意喚起やポジティブな表現など、明るいトーンで読者に伝えたいときによく使われます。

特に見出しや強調したい言葉に黄色を使いたくなるのは、広報誌づくりでは“あるある”です。

ところが…

  • 「黄色い文字を使ったら、誰にも気づかれなかった」
  • 「印刷したら、ほとんど読めなかった」
  • 「校正時に赤入れされて気づいた」

こうした経験、ありませんか?
実は、黄色は“目立つ色”ではあっても“読みやすい色”ではないのです。

黄色い文字が読みにくい理由

① 明度が高すぎて背景と同化しやすい

黄色は、色の中でも最も「明るい色」に分類されます。明るい背景(白や淡いグレーなど)の上に載せると、コントラストが弱くなり、文字が背景に埋もれてしまいます。

特に印刷では、画面で見たときよりも色が沈んで見えたり、インクのにじみで輪郭がぼやけたりすることも。

② 太さやフォントによって視認性が低下

細めのフォントや明朝体、手書き風の書体で黄色を使うと、線が細くなり、ますます読みにくくなります。特に高齢の読者が多い場合、小さい黄色い文字は“見えない文字”と同じ。

③ 読者の心理的な“読み飛ばし”が起きる

人の目は「読みやすい色」に自然と吸い寄せられます。読みにくい色=脳が“ストレス”と感じる色は、無意識に避けて読み飛ばす傾向があります。つまり、伝えたいことが伝わらなくなってしまうのです。

印刷するともっと読みにくい

ディスプレイ上ではまだ読めても、印刷すると一気に読みにくくなるのが黄色文字の落とし穴。

特に以下の条件では注意が必要です:

  • コート紙など光沢がある紙
  • 写真や色ベタの上に重ねる文字
  • 文字サイズが10pt以下
  • 印刷インクがやや薄め(オンデマンド印刷など)

「モニター画面で見たときに読めたのに、色校正のプループを確認すると見えない!」というのもよくある事例です。

黄色文字を使いたいときの工夫

とはいえ、「黄色っぽい色でデザインしたい」という要望もよくあります。完全に避けるのではなく、“読める黄色文字”に変える工夫ができます。

◎ 縁取りをつける(袋文字)

黄色い文字に黒や濃い色の縁取りをつけると、背景とのコントラストが生まれ、読みやすくなります。

◎ 背景に色を敷く

白背景ではなく、濃い色のベタの上に黄色を載せると、見た目にも映えるデザインになります。たとえばネイビーやこげ茶などの濃色背景は相性◎。

◎ 文字サイズを大きめにする

文字が大きくなればなるほど、認識しやすくなります。見出しやキャッチコピーなど、短文であれば、黄色でも効果的に使えます。

◎ イエローではなく「ゴールド」や「山吹色」に寄せる

彩度や明度を少し下げて、濃い黄色にすると可読性がアップします。特にゴールド系やからし色、山吹色などは、印刷でも沈みにくく、落ち着いた印象に。

まとめ|黄色は使い方次第!印刷では“読める”工夫を

黄色い文字は、華やかさや明るさを演出できる一方、使い方によっては“読まれない文字”にもなりかねません。

✔ 白背景に黄色文字はNG
✔ 印刷では思った以上に沈む
✔ コントラスト・サイズ・縁取りがカギ
✔ 読ませたい場所こそ、可読性第一

広報誌では「読まれるデザイン」が命

せっかく心を込めて書いた原稿も、読まれなければ意味がありません。

見出し、キャッチコピー、重要な数字やお知らせなど、「読んでほしい場所」にこそ“読みやすさ”を最優先にすることが大切です。

おしゃれに見える色づかいも、情報伝達を阻害するものであれば逆効果になってしまいます。

🎨色のご相談、印刷前のチェックも、株式会社ユー・エス・エスにお任せください

当社では、広報誌や社内報の制作において、

  • カラーバランスのご提案
  • 読みやすいレイアウト設計
  • 校正時の視認性チェック
  • 実際の紙に出力しての色確認

など、“読ませる広報誌”を支える細かなチェック体制を整えています。

「この黄色、読めるかな?」と少しでも不安に感じたら、ぜひお気軽にご相談ください。

読まれる広報誌は、色づかいひとつでも印象が変わります。

\色やデザインのご相談、印刷前にしてみませんか?/
読みやすさとデザイン性を両立した誌面づくりを、ユー・エス・エスがサポートいたします。
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