こんにちは。
東京文京区護国寺の 文字校正に強いデザイン会社、株式会社ユー・エス・エスです。
今回は、広報誌や社内報などの紙媒体を担当する広報ご担当者に向けて、「黄色い文字って、実は読みにくい」という話題をお届けします。デザインを華やかにしたいとき、つい使ってしまいがちな黄色文字。でも、印刷物では想像以上に「読まれない原因」になっていることも。
「目立つ色のはずなのに…」という声をよく聞きます。今回は、なぜ黄色い文字が読みにくいのか、避けた方がよい場面と、代わりにおすすめの工夫について解説していきます。
黄色といえば、明るく元気な印象を持つ色。注意喚起やポジティブな表現など、明るいトーンで読者に伝えたいときによく使われます。
特に見出しや強調したい言葉に黄色を使いたくなるのは、広報誌づくりでは“あるある”です。
ところが…
こうした経験、ありませんか?
実は、黄色は“目立つ色”ではあっても“読みやすい色”ではないのです。
黄色は、色の中でも最も「明るい色」に分類されます。明るい背景(白や淡いグレーなど)の上に載せると、コントラストが弱くなり、文字が背景に埋もれてしまいます。
特に印刷では、画面で見たときよりも色が沈んで見えたり、インクのにじみで輪郭がぼやけたりすることも。
細めのフォントや明朝体、手書き風の書体で黄色を使うと、線が細くなり、ますます読みにくくなります。特に高齢の読者が多い場合、小さい黄色い文字は“見えない文字”と同じ。
人の目は「読みやすい色」に自然と吸い寄せられます。読みにくい色=脳が“ストレス”と感じる色は、無意識に避けて読み飛ばす傾向があります。つまり、伝えたいことが伝わらなくなってしまうのです。
ディスプレイ上ではまだ読めても、印刷すると一気に読みにくくなるのが黄色文字の落とし穴。
特に以下の条件では注意が必要です:
「モニター画面で見たときに読めたのに、色校正のプループを確認すると見えない!」というのもよくある事例です。
とはいえ、「黄色っぽい色でデザインしたい」という要望もよくあります。完全に避けるのではなく、“読める黄色文字”に変える工夫ができます。
黄色い文字に黒や濃い色の縁取りをつけると、背景とのコントラストが生まれ、読みやすくなります。
白背景ではなく、濃い色のベタの上に黄色を載せると、見た目にも映えるデザインになります。たとえばネイビーやこげ茶などの濃色背景は相性◎。
文字が大きくなればなるほど、認識しやすくなります。見出しやキャッチコピーなど、短文であれば、黄色でも効果的に使えます。
彩度や明度を少し下げて、濃い黄色にすると可読性がアップします。特にゴールド系やからし色、山吹色などは、印刷でも沈みにくく、落ち着いた印象に。
黄色い文字は、華やかさや明るさを演出できる一方、使い方によっては“読まれない文字”にもなりかねません。
✔ 白背景に黄色文字はNG
✔ 印刷では思った以上に沈む
✔ コントラスト・サイズ・縁取りがカギ
✔ 読ませたい場所こそ、可読性第一
せっかく心を込めて書いた原稿も、読まれなければ意味がありません。
見出し、キャッチコピー、重要な数字やお知らせなど、「読んでほしい場所」にこそ“読みやすさ”を最優先にすることが大切です。
おしゃれに見える色づかいも、情報伝達を阻害するものであれば逆効果になってしまいます。
当社では、広報誌や社内報の制作において、
など、“読ませる広報誌”を支える細かなチェック体制を整えています。
「この黄色、読めるかな?」と少しでも不安に感じたら、ぜひお気軽にご相談ください。