文:職場体験スタッフ

こんにちは。 東京・文京区護国寺を拠点に、社内報や広報誌、会社案内、Web制作まで手がけている、株式会社ユー・エス・エスです。
仕事に追われる日々の中で、ふと懐かしい味を思い出すことがあります。
通勤電車の窓から見える季節の空や、街の木々の色。 そんな何気ない瞬間に、心の奥からよみがえる記憶があります。
和菓子好きの人の間ではよく知られているお店ですが、この豆大福には少し特別な特徴があります。
それは通販でのお取り寄せができないということ。
購入できるのは店頭のみ。 しかも人気が高く、平日でも午前中に売り切れてしまうことがあるほどです。だからこそ、手に入れたときの喜びもひとしお。
そして私にとってこの豆大福は、祖母との思い出が詰まった特別な味でもあります。
祖母は昔から豆大福が大好きでした。
ある日、テレビで郡林堂が紹介されているのを見て、祖母がぽつりと言いました。
「ここの豆大福、一度食べてみたいねぇ」
その言葉を聞いた私は、休日の朝に祖母を誘って護国寺へ向かいました。
人気のお店だと聞いていたので、少し早めに到着。 するとすでにお店の前には小さな行列ができていました。
静かな朝の住宅街。 和菓子を求めて並ぶ人たちの姿は、どこか穏やかな空気に包まれていました。
しばらくして、ようやく買えた豆大福。白くやわらかなお餅に、赤えんどう豆。 袋越しでもわかる、ずっしりとした重み。祖母はその袋を見つめながら、子どものように嬉しそうに笑っていました。
せっかくなので、そのまま帰るのはもったいなくて。 私たちは護国寺の境内へ向かいました。境内には木々に囲まれた静かなベンチがあります。 都心とは思えないほど、ゆったりとした時間が流れていました。
ベンチに座り、さっそく豆大福をひと口。
やわらかいお餅。 ほくほくした赤えんどう豆。 甘さ控えめで上品なこしあん。
素朴なのに、どこか特別な味でした。
隣を見ると、祖母が夢中で大福を頬張っています。
そして、ひとこと。
「おいしいねぇ」
そのときの祖母の顔が、本当に幸せそうで。 私はその表情を、今でもはっきり覚えています。
豪華な旅行でも特別なイベントでもないけれど、大切な人と食べた和菓子の時間は、思いがけず深く心に残るものです。
郡林堂の豆大福をきっかけに調べてみると、東京には有名な豆大福のお店がいくつもあることを知りました。
特によく名前が挙がるのが、次の三店です。
護国寺「郡林堂」 上品な甘さと塩気のバランスが魅力。売り切れ必至の人気店。
泉岳寺「松島屋」 明治創業の老舗。やわらかい餅と上品な餡が特徴です。
原宿「瑞穂」 粒あんが魅力の、昔ながらのしっかりした豆大福。
新しいスイーツが次々と生まれる東京ですが、こうした昔ながらの和菓子店もまた、街の魅力を支える存在です。
大人になると、祖父母と過ごす時間は少しずつ減っていきます。
仕事が忙しかったり、生活の場所が離れていたり。 「また今度会おう」と思っているうちに、季節が過ぎてしまうこともあります。
だからこそ、あの日の豆大福の時間は、私にとって大切な記憶になりました。
祖母と並んで座った護国寺のベンチ。 大福を頬張る幸せそうな笑顔。
忙しい日々の中でその風景を思い出すと、少しだけ心がやわらぎます。
もし護国寺を訪れる機会があれば、少し早起きをして郡林堂に並んでみてください。 そして豆大福を手に、境内のベンチでひと休みしてみてください。
その時間はきっと、あとから思い出すとやさしい記憶になっているはずです。
Q:郡林堂の豆大福は通販で購入できますか?
A:通販は行っておらず、店頭販売のみです。 人気が高いため、平日でも午前中に売り切れることがあると言われています。購入したい場合は、早い時間に訪れるのがおすすめです。
私たち株式会社ユー・エス・エスは、東京・文京区護国寺を拠点に、社内報や広報誌、会社案内、Web制作など、「伝えたい想いを、伝わる表現にすること」を大切にした制作を行っています。
今回のように、日常の中には小さなストーリーがたくさんあります。 そうした魅力を丁寧に取材し、言葉やデザインで形にすることも、私たちの仕事のひとつです。
これからも、地域や人の想いを大切にしながら、読む人の心に残る「伝わる表現」をお届けしていきます。
※本記事は、東京しごとセンター(女性しごと応援テラス)の再就職支援プログラムの職場体験に参加された方が書いた原稿をもとに、当社にて構成・表現を整えて掲載しています。