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■デザイン印刷百科

◆AI画像処理が苦手なこと・限界とは?~便利さの裏にある“苦手分野”と“落とし穴”を知っていますか?

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AI画像処理が苦手なこと・限界とは?
AI画像処理が苦手なこと・限界とは?



こんにちは。
東京文京区 護国寺 の 画像調整が得意なデザイン会社、株式会社ユー・エス・エスです。

最近は、AIを使った画像加工や生成が、スマホアプリからプロ用ソフトまで幅広く利用できるようになりました。背景の差し替えや不要物の除去、色味補正、人物のレタッチなど、人間の手では時間がかかる作業も、AIならわずか数秒で完了します。

しかし、どんなに技術が進歩しても、AIにはまだ苦手なことや限界があります。本記事では、写真やデザインの現場で実際に起こりやすいケースを踏まえて、その弱点を解説します。

1. 抽象的な感情や意図をつかむのは苦手

AIは「写っているもの(物体や色)」を見分けるのは得意ですが、「写真が伝えたい気持ち」や「表情のニュアンス」など、感覚的で抽象的な部分の理解はあまり得意ではありません。
たとえば、笑顔の写真を見ても、それが「喜びいっぱいの笑顔」なのか「皮肉を含んだ笑顔」なのかまでは判断が難しいのです。
そのため、「この場の雰囲気を残しながら自然に加工してほしい」という人間ならではの感覚的な要望には、まだ十分に応えられないことがあります。

2. ときどき出てしまう“物理的におかしい”描写

AIは大量の画像データを学習してパターンを再現しますが、物理法則や人間の常識に反して現実にはありえないような不自然な描写が混ざることがあります。
特に次のようなケースがよく見られます。

  • 人間の身体の不自然さ
    指が6本になってしまう、手の関節がありえない方向に曲がる、足の長さが左右で大きく違うなど
  • 3D的な空間や光の矛盾
    遠近感が狂って建物や背景が歪む、光源の位置と影の方向が一致しないなど
  • 複雑な構造物の誤描写
    特定の道具や機械など、細かい部品が多いものは形状が崩れやすい

これは、AIが3次元的な空間構造や光の働きを完全に理解していないために起こります。静止画として見ると一見きれいに見えても、よく観察すると違和感が残る場合があります。

3. データ不足や偏りによる精度の低下

AIの性能は「どんなデータで学習したか」に大きく左右されます。
学習データに含まれていない珍しい被写体や文化的背景、特殊な環境(例:医療機器、工場の機械、希少な動植物など)の写真では、誤認識や不自然な加工が起こりやすくなります。
特定の地域やジャンルに偏ったデータしか持っていない場合も同様で、ニッチな分野ほど失敗の可能性は高まります。

4. 倫理や法律の判断はできない

AIには善悪や法律的な感覚がありません。だからこそ、使い方によっては次のようなリスクが発生します。

  • 著作権・肖像権の侵害:他人が撮影した写真や作品を無断で加工・使用してしまう可能性
  • フェイク画像の生成:事実とは異なる画像を作り、誤情報の拡散につながる危険
  • 差別的・不適切な表現:学習データの偏りが原因で生じることもある

これらは、AIの“ミス”というよりも、使う側が注意を払わなければ防げない問題です。

まとめ:AIを正しく理解して上手に使いましょう

AIによる写真加工は、作業時間を大幅に短縮し、これまで専門的な知識やスキルが必要だった高度な編集も簡単にできるようになりました。一方で、抽象的な感情や意図の理解、物理的な自然さの再現、専門的な分野での精度、そして法律や倫理の判断といった部分は、まだ人間にはかないません。

特に商用利用や人物写真の加工では、AI画像編集の注意点を理解したうえで、仕上がりを必ず自分の目で確認することが大切です。AIはあくまで“道具”であり、写真やデザインの最終的な価値を決めるのは、人間の感性と判断力。
それぞれの強みを生かして組み合わせれば、より魅力的で信頼できるビジュアル制作が可能になります。

写真1枚で、会社の印象は大きく変わります。

株式会社ユー・エス・エスでは、プロの撮影から自然な補正・レタッチ、デザイン加工までワンストップで対応。
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