東京文京区護国寺の 文字校正が得意なデザイン会社、株式会社ユー・エス・エスです。
世の中には「これ、なんて読むの?」と立ち止まってしまう漢字があります。特に苗字(名字)は、同じ漢字でも読み方が地域によって違ったり、独特の歴史や由来を持っていたりして、とても奥深いものです。
今回取り上げるのは、珍しい苗字のひとつ 「畔蒜」。
ぱっと見てすぐに読める方は少ないのではないでしょうか。実はこの漢字で「あびる」と読みます。
でも、「蒜」という漢字自体、普段なかなか目にしませんよね。
「読み方が分からない漢字をどうやって調べればいいのか?」
その方法からご紹介していきましょう。
「畔蒜」のように、読みを知らないと検索窓に入力すらできない漢字。
そんな時に役立つのが スマホを使った調べ方 です。
iPhoneやAndroidには「手書き入力」機能があります。画面に指で調べたい文字をなぞると、候補が出てきます。多少崩れていても認識してくれるので安心です。
iPhoneの場合は「設定 → 一般 → キーボード → 新しいキーボードを追加」で、中国語(簡体字)キーボードの「手書き」を有効にすれば利用できます。
オンライン漢字辞典では「部首」や「総画数」から調べられます。
「蒜」の場合、部首は「草冠(艹)」、残りの画数は11画。この条件で探すと見つけることができます。
iPhoneには便利な「ライブテキスト」機能があります。
👉 アプリを追加せず、iPhoneだけで完結する方法です。
最近もっともおすすめなのが Googleレンズ。
👉 文字を「入力」しなくても「撮影」するだけで検索できるので、まさに現代的な調べ方です。
表札・看板・名刺など、現場で出会った苗字もその場で調べられるのが大きな利点です。
ChatGPTなどのAIに「この漢字、なんて読む?」と質問するのも一つの方法です。
ただし、苗字は地域によって読みが異なる場合があるため、AIの答えをそのまま使わず、必ず複数の情報源で裏付けすることが大切です。
さて本題の「畔蒜」について。
漢字の組み合わせから、農業に結びついた生活文化が背景にあると考えられます。
田んぼの畔(あぜ)とにんにく(蒜)。まさに土地と作物に由来する名前です。
千葉県にルーツを持つ人にとっては身近でも、全国的には珍しく「初めて見た」という人が多いのも特徴です。
東日本に「畔蒜」がある一方で、西日本には「阿比留(あびる)」という苗字があります。
同じ「あびる」でも、関東と九州でまったく異なるルーツを持っているのです。
苗字は単なる名前ではなく、その土地の歴史や文化を反映しています。
千葉県は古くから農業が盛んな地域で、畑作物の栽培も発展しました。
「蒜(にんにく)」は薬味や保存食として古代から重宝され、畔(あぜ)と組み合わさることで「田畑の暮らしに根付いた姓」と考えられます。
房総半島の農村文化が、この苗字の背景に息づいているのかもしれません。
一方、九州北部に多い「阿比留」は、海を渡る文化と強く結びついています。
対馬は古代から大陸との交流拠点であり、氏族や武家の歴史が苗字に刻まれました。
つまり「阿比留」は、海を越えた交流や防衛の歴史とつながっている姓だといえるでしょう。
同じ読み方でも、千葉では「畔蒜(農耕の姓)」、九州では「阿比留(氏族の姓)」。
苗字一つで「東日本=土地と作物」「西日本=氏族と海洋文化」という違いが浮かび上がります。
これはまさに、苗字が「地域文化のしるし」であることを示しています。
苗字の由来や地域性は、広報活動や社内報でもネタになります。
雑学のようでいて、社員や地域とのつながりを感じさせる良いコンテンツになります。
また、「苗字」そのものに限らず、このような身近な知識や雑学を取り上げるコーナーは、社内報を“読んで終わり”ではなく“読みながら楽しめる”媒体にしてくれます。堅い情報や業務連絡だけでなく、気軽に読める豆知識があることで、社員の関心を引きやすくなり、結果として社内報の浸透度や読了率も高まるのです。
つまり、珍しい苗字の由来紹介はその一例にすぎません。歴史・地域文化・言葉遣いなど、日常にちょっと役立つ豆知識を社内報に組み込むことで、社員との距離を縮め、会社全体の一体感づくりにつなげることができます。
今回は珍しい苗字「畔蒜(あびる)」をテーマに、読み方の調べ方と地域ごとの違いを掘り下げました。
私たち株式会社ユー・エス・エスは、文字校正・編集だけでなく、取材・撮影・企画デザイン・印刷・Web制作まで幅広く対応しています。
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