株式会社ユー・エス・エス/上田写真製版所 ブログ

文字校正
2026/2/13

◆校正で押さえておきたいチェックポイント⑳初校・再校・念校――工程ごとに「見る視点」を切り替える

こんにちは。
東京・文京区護国寺の、文字校正が得意なデザイン会社、株式会社ユー・エス・エスです。

校正の現場では、
「初校」「再校」「念校」といった工程名が当たり前のように使われています。

しかし実務では、
それぞれの工程が
「何回目の校正か」という意味だけで扱われてしまうことも少なくありません。

初校は重い
再校は軽い
念校は誤字脱字だけ

こうした捉え方は、一見分かりやすい反面、
校正の役割を狭めてしまう原因にもなります。

今回は、
校正の各工程で、どんな視点で誌面を見ていくのか
という点を整理します。

📝今回の記事でわかること

  • 初校・再校・念校を「回数」ではなく「判断の段階」として捉える考え方
  • 各工程で、どんな視点で誌面を見ていくべきか
  • 工程ごとに役割を切り替えないことで起こりやすいズレ
  • 工程を意識することで、校正の判断が安定する理由

校正は、単に何度も読む作業ではありません。

各工程には、
その段階でしかできない判断があります。

つまり、

  • どれだけ細かく見るか
    ではなく
  • 今、何を判断する工程なのか

を意識することが重要です。

初校は、校正工程の中でもっとも判断の幅が広い段階です。

この段階で重視したいのは、

  • 原稿の前提が成立しているか
  • 構成や流れに無理がないか
  • 条件や範囲が省略されていないか
  • 大きな違和感を見逃していないか

といった、誌面全体が「成立しているか」という視点です。

誤字脱字を拾うことももちろん大切ですが、
初校ではそれ以上に、

  • 直すべきか
  • 確認が必要か
  • ここで止めるべきか

といった判断が求められます。

再校は、「もう一度同じことを見る工程」ではありません。

再校で見るべきなのは、

  • 修正によって意味が変わっていないか
  • 直したことで新たなズレが生まれていないか
  • 全体の整合性が取れているか

つまり、
「直した結果」を確認する工程です。

初校と同じ目線で見てしまうと、
判断が重複したり、修正が迷走したりする原因になります。

念校は、判断を加える工程ではありません。

この段階で見るのは、

  • 表記や体裁の最終確認
  • 数字や固有名詞の整合
  • 読み飛ばしや事故の防止

といった、不安を残さないための確認です。

念校で内容判断を始めてしまうと、
工程全体のバランスが崩れます。

「軽い作業」という意味ではありませんが、
役割は明確に異なります。

実務でよく起こるのが、工程の混在です。

  • 初校で細部に入りすぎる
  • 再校で初校レベルの判断をやり直す
  • 念校で内容に踏み込んでしまう

こうした状態では、
校正の精度は上がりません。

原因は技術不足ではなく、
工程ごとの役割が整理されていないことにあります。


校正は、
「どこまで見るか」を頑張る仕事ではありません。

その工程で、

  • 何を判断するのか
  • 何を次に渡すのか

を整理する仕事です。

初校・再校・念校の役割を意識することで、
校正は楽になるわけではありませんが、
判断がぶれにくくなり、安定した作業になります。


Q1|初校では、どこまで細かく見ればよいのでしょうか?
A|初校では「すべてを完璧に直す」ことを目標にする必要はありません。重要なのは、誌面として成立しているかどうかを判断することです。細かな誤字脱字よりも、前提や構成、条件の抜けなど、大きな違和感を見逃さない視点を優先します。

Q2|再校でも、新しい違和感に気づいた場合は指摘してよいですか?
A|はい。再校は「修正結果を見る工程」ですが、修正によって新たなズレが生じることもあります。その場合は、工程に関係なく指摘します。ただし、初校と同じ判断を最初からやり直すのではなく、修正後の状態を前提に確認することが大切です。

Q3|念校で内容に疑問を感じた場合はどうすればよいですか?
A|念校は原則として内容判断を行わない工程ですが、「このまま出すのは不安だ」と感じた場合は、その違和感を共有することが重要です。無理に直そうとせず、判断が必要な点として戻すことで、事故を防ぐことができます。

Q4|工程ごとに見る視点を切り替えるのが難しいと感じます。
A|難しく感じるのは自然なことです。その場合は、「今は何を判断する工程か」を意識するだけでも効果があります。すべてを一度にやろうとせず、判断の役割を工程ごとに分けることで、校正の精度は安定していきます。


株式会社ユー・エス・エスでは、
社内報・広報誌の文字校正・編集サポートに加え、
デザイン制作、取材・編集・撮影、Webページ制作まで、
制作全体を見据えたサポートを行っています。

工程ごとの役割を切り離さず、
一体で考えることができるのが、私たちの強みです。

「誤りを直す」だけで終わらせない校正について、
どうぞお気軽にご相談ください。

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