株式会社ユー・エス・エス/上田写真製版所 ブログ

文字校正
2026/2/9

◆校正で押さえておきたいチェックポイント⑱ミスは「起きやすい場面」で起きている

こんにちは。
東京・文京区護国寺を拠点に、文字校正が得意なデザイン会社、株式会社ユー・エス・エスです。

校正ミスというと、「集中力が足りなかったのでは」「ちゃんと読めていなかったのでは」と思われがちです。
しかし、実際の制作現場を振り返ってみると、ミスは無作為に起きているわけではありません。

ある特定の工程、ある特定の作業状況で、ミスが起きている——
そんなケースは少なくないのです。

今回は、
「どんな場面に、どんな校正リスクが潜んでいるのか」
を整理し、事前に意識しておくことで防げるポイントをまとめます。

📝今回の記事でわかること

  • 校正ミスが「起きやすい場面」の共通点
  • 工程や作業状況によって、見るべきポイントが変わる理由
  • 「注意する」よりも先にできる、実務的なリスク回避の考え方

ミスが起こるのはどんなときか

校正で起きるミスの多くは、
「読めていなかった」のではなく、
「見る前提がズレていた」ことで起こります。

たとえば、

  • ここはもう直っているはず
  • この辺りは前号と同じ構成
  • 念校だから大きな変更はない

こうした前提を無意識に持ったまま校正すると、
本来見るべき箇所に目が向かなくなります。

問題は注意力の強弱ではなく、
工程ごとに生まれる思い込みなのです。

① 改訂・流用が多いとき

過去号や前回データをベースに制作する場合、
いわゆる「先祖返り」が起こりやすくなります。

※先祖返りとは、
以前の版では修正済みだった内容が、データの流用や差し替えによって再び元に戻ってしまうことを指します。

たとえば、

  • 修正済みだった年号や数字が、古いまま復活する
  • 前回直した表現が、別データの差し替えで元に戻る
  • 更新済みの肩書き・部署名が、ひとつ前の状態に戻る

といったケースです。

「前は正しかった」という記憶そのものが、
この工程では見落としの引き金になります。

② 新しいページ・要素を追加したとき

新規ページや要素を足すときは、その部分だけでなく、

  • ノンブル(ページ番号)
  • 目次・インデックス
  • 図表番号や参照関係

など、周辺情報との整合にズレが出やすくなります。

「追加した箇所は合っているのに、全体が追いついていなかった」
というのは、現場でよくあるケースです。

③ 修正が何度も重なったとき

赤字の往復が増えるほど、

  • どこまで確認済みか分からなくなる
  • 修正Aが修正Bに影響していることに気づきにくい
  • 「一応合っている」状態で止まってしまう

といった状態に陥りがちです。

これは誤りというより、
作業量と情報量が増えた結果として起こる見落としです。

④ 再校・念校の段階

工程が進むほど、

  • 初校で重点的に見た箇所ばかりを再確認してしまう
  • 追加・変更された部分の影響範囲を見落とす
  • 「もう大丈夫」という心理が働く

といったズレが生じます。

工程が変われば、
見るべきポイントも変わるという意識が欠かせません。


FAQ|よくある質問

Q1|結局、全部を細かく見るしかないのでしょうか?
A|すべてを同じ精度で見る必要はありません。工程や変更内容に応じて、「今、リスクが高い部分」に重点を置くのが現実的です。

Q2|経験が増えれば、こうしたミスは減りますか?
A|経験が増えることで、別の思い込みが生まれることもあります。経験年数より、「どの工程か」を意識することが重要です。

Q3|工程ごとのチェックリストは有効ですか?
A|有効です。「改訂時」「追加時」「念校時」など、場面ごとに視点を切り替えられる仕組みがあると見落としを防げます。


まとめ|校正は、注意力だけではなく「場面認識」

校正ミスは、
注意力の問題ではなく、工程と状況の問題で起こることが多くあります。

どんな場面にリスクが潜んでいるかを知っていれば、
校正に入る前から「気をつけるべき場所」が見えてきます。

校正とは、文字を読む作業であると同時に、
作業状況に応じて視点を切り替える仕事なのです。


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