株式会社ユー・エス・エス/上田写真製版所 ブログ

文字校正
2026/2/12

◆校正で押さえておきたいチェックポイント⑲「素読み」とは何か ―すべての誤りを見つけるための読み

こんにちは。
東京・文京区護国寺の、文字校正が得意なデザイン会社、株式会社ユー・エス・エスです。

校正の現場でよく使われる言葉に「素読み(すよみ)」があります。
しかし、その意味や役割は人によって捉え方が異なり、

  • いつ行うものなのか
  • 何を目的に読むのか
  • どこまで拾えばよいのか

が曖昧なまま使われていることも少なくありません。

今回は、校正実務の視点から、
「素読みとは何か」「どんな役割を担う読み方なのか」を整理します。

📝今回の記事でわかること

  • 校正における「素読み」の正しい考え方
  • 素読みが有効になる理由
  • 実務で起こりがちな素読みのズレと、その背景

校正における素読みとは、
原稿の内容に引きずられず、ゲラそのものを読んで誤りや違和感を探す読み方です。

素読みの目的は明確です。

  • 誤字脱字を見つける
  • 表記や文の不自然さに気づく
  • 体裁や構成の違和感を拾う

誤りを限りなく見つけるための読みが、素読みです。

素読みは「文章全体を把握するための読み」と説明されることもあります。
確かに、流れをつかむという側面はあります。

しかし、実務における素読みはそれだけではありません。

素読みの段階で、

  • 明らかな誤字脱字に気づく
  • 表記の揺れに引っかかる
  • 見出しと本文の関係に違和感を覚える

といったことは日常的に起こります。

つまり素読みは、
意味を追いながら、同時に誤りを拾う読み方です。

原稿と突き合わせて読むとき、
人はどうしても「原稿が正しい」という前提で文字を追ってしまいます。

その結果、

  • 書かれていない語を補って読んでしまう
  • 誤りがあっても意味として理解できてしまう
  • 違和感を感じにくくなる

といった状態に陥りがちです。

素読みでは、
ゲラに出ている情報だけを頼りに読むことで、
こうした補正をいったん止めることができます。

それが、誤りや違和感に気づきやすくなる理由です。

素読みでは、すべてをその場で判断する必要はありません。
次のような視点で、「引っかかる箇所」を拾っていきます。

文章面

  • 誤字脱字
  • 読点の位置や文の切れ方
  • 主語と述語の対応
  • 表記のばらつき

体裁・構成面

  • 見出しと本文のつながり
  • 図表・写真と説明文の対応
  • 段落構成やページの流れ

判断が必要な点は、後工程につなぐ前提で構いません。
違和感を逃さないことが、素読みの役割です。

素読みは、校正工程のなかでも最初に行われる重要な作業です。
にもかかわらず、実務では次のような“つまずき”が起こりがちです。

①内容理解に引っ張られすぎる

内容が頭に入ってくると、

  • 意味が通じるからOK
  • 言いたいことは分かるから問題なし

と判断してしまい、
表記の乱れや細かな誤りを見逃すことがあります。

素読みでは
「理解できるか」より「違和感がないか」
に意識を戻すことが大切です。

②原稿を想像しながら読んでしまう

「たしか原稿ではこう書いてあったはず」
「前の版では問題なかった」

こうした記憶があると、
ゲラ上の誤りを脳内で補正して読んでしまいます。

理解してしまえるがゆえに、
“書かれていないことに気づきにくくなる”のは、素読みの落とし穴です。

誤字脱字だけに集中しすぎる

素読み=誤字脱字チェック
と意識が狭まると、

  • 文のつながりの不自然さ
  • 見出しと本文のズレ
  • 体裁の違和感

といった点が後回しになります。

素読みでは、
文字・文・構成をまとめて見る視点も欠かせません。


Q|素読みでは、どこまで直していいのでしょうか?
A|「原稿と違うかどうか」ではなく、「誌面として不安があるかどうか」を基準に判断します。誤りや違和感があれば、工程にかかわらず指摘します。

Q|原稿照合と何が一番違うのですか?
A|見る対象が違います。原稿照合は「一致」を見る作業、素読みは「成立」を見る作業です。

Q|素読みは初心者向けの作業ですか?
A|いいえ。むしろ、文章や誌面を総合的に見る力が求められる、経験値の高い作業です。


素読みの失敗は、技術不足というよりも、

  • 素読みの役割を狭く捉えてしまう
  • 工程の位置づけを軽く見てしまう

といった意識のズレから起こることが多いものです。

素読みは
誤りに気づくために、
読み方を切り替える校正の一手段です。

素読みをどう位置づけるかを整理することで、
校正全体の精度や判断の軸も、自然と明確になっていきます。


株式会社ユー・エス・エスについて

当社では、社内報・広報誌の文字校正・編集サポートに加え、
既存のデザイン制作、取材・編集・撮影、Webページ制作、動画作成まで、
幅広いご要望に対応しています。

文章構造のチェックや表現調整といった校正業務と、
誌面デザインやビジュアル制作を切り離さず、
一体で考えられる体制が私たちの強みです。

「読みやすく」「伝わる」社内報づくりを、
制作と校正の両面からサポートします。
どうぞお気軽にご相談ください。

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