株式会社ユー・エス・エス/上田写真製版所 ブログ

文字校正
2026/1/14

◆「twelveth」はなぜ間違い?校正していて見つけた英語表記の落とし穴

英語の序数で「twelveth」は誤りで、「twelfth」が正しいことを示す比較イラスト

こんにちは。
東京・文京区護国寺を拠点に、編集・デザイン・校正・Web制作まで幅広く手がけている、株式会社ユー・エス・エスです。


約200ページにおよぶ防災・災害関連の冊子。
その色校正の最終段階で、思わぬ「文字のミス」を見つけました。
しかも場所は、一番気が抜けやすい「奥付」。

見つかったのは、「12番目」を意味する英語表記の twelveth
一見、合っていそうに見えますが、実はこれは間違いで、正しくは twelfth です。

この記事では、実際の制作現場で起きたこの出来事をもとに、「なぜ twelveth は間違いなのか」という英語表記の話とともに、USSが校正・チェックを重視している理由についてご紹介します。


今回の案件は、防災・災害に関する事例をまとめた、毎年更新されていくタイプの資料でした。災害が起きるたびにページが増えていく性質のもので、今回は最終的に200ページ近いボリュームになっていました。

すでに制作工程は終盤に差し掛かり、作業は「色校正」の段階に入っていました。本来であれば、ここは「色味」や「写真の見え方」を確認する工程で、文字の間違いが出てくるようなフェーズではありません。

……ありません、というのが建前なのですが。

このとき、なぜか少し嫌な予感がしました。

ページ数は多く、内容も重たい。しかも毎年少しずつ積み重なっていく冊子です。
「どこかに、何かが紛れ込んでいてもおかしくないな」
そんな感覚が、なんとなく拭えませんでした。

そこで念のため、文字校正スタッフにも確認を依頼することに。
「色校正の段階で文字のミスが出てきたら、それはそれで問題なんですけどね……」と言いながら。

そして、結果。

出てしまったのです。
しかも、最後の最後。奥付のページで。

長い原稿をチェックしていると、人はどうしても「ここまで来たから、もう大丈夫だろう」という気持ちになります。

特に、奥付や最終ページというのは、

・内容はもう終わっている
・あとは形式的な情報だけ
・毎回ほぼ同じ内容を使っている

といった理由から、一番気が抜けやすい場所でもあります。

でも、だからこそ、一番事故が起きやすい。

今回見つかったのも、まさにそういう場所でした。

そこで見つかった表記のひとつが、「twelveth」という単語でした。

意味は「12番目」。一見、合っていそうに見えます。

12 は twelve。「〜番目」は th を付ける。だから twelve + th = twelveth……と、つい思ってしまいそうです。

でも、これは間違いです。

正解は、「twelfth」。

正直に言うと、これ、一瞬スルーしそうになりました。「12番目ね」と意味は普通に読めてしまうからです。

でも、だからこそ怖いのです。

ここははっきり書いておきます。

・❌ twelveth → 誤り
・⭕ twelfth → 正解

では、なぜこんな形になるのでしょうか。

12 は英語で twelve。多くの場合、「〜番目」は単語の最後に -th を付けます。

four → fourth
six → sixth
seven → seventh

この流れで考えると、twelve + th = twelveth になりそうな気がします。

でも、英語はそうなりません。

「twelve + th」は、発音すると少し言いにくい音の並びになります。そのため、英語では発音しやすい形に変形して、

twelve → twelf → twelfth

という形に落ち着いています。

つまり、

v の音が f に変わってから th が付く

という変化が起きている、というわけです。

この手の「見た目どおりにいかない単語」は、twelfth だけではありません。英語の序数(〜番目)には、いくつか「クセのある単語」が混ざっています。

one → first(oneth ではない)
two → second(twoth ではない)
three → third(threeth ではない)
five → fifth(fiveth ではない)
nine → ninth(nineth ではない)
twelve → twelfth(twelveth ではない)

どれも、「間違えた形のほうが、見た目はそれっぽい」というのが、なんとも厄介なところです。

ここで、1〜20までの序数を一覧にしておきます。

1st:first
2nd:second
3rd:third
4th:fourth
5th:fifth
6th:sixth
7th:seventh
8th:eighth
9th:ninth
10th:tenth
11th:eleventh
12th:twelfth
13th:thirteenth
14th:fourteenth
15th:fifteenth
16th:sixteenth
17th:seventeenth
18th:eighteenth
19th:nineteenth
20th:twentieth

この中でも、first / second / third / fifth / ninth / twelfth あたりは、特に「勢いで書くと危ない」グループです。

今回の「twelveth」も、意味は普通に通じます。多くの人は、たぶん何も引っかからずに読み進めてしまうでしょう。

でも、

意味が通じる ≠ 正しい表記

です。

こういう、

・なんとなく合っていそう
・一瞬では気づかない
・指摘されるまで誰も疑わない

というタイプのミスこそ、一番静かに、確実に紛れ込みます。

今回の案件も、もし「まあ、ここまでやったから大丈夫でしょう」で進めていたら、この表記はそのまま世に出ていた可能性が高いと思います。

色校正の工程で、しかも一番油断しやすい奥付で、それでも拾えた。

正直に言えば、「色校正なのに、文字のミスが出てきてしまった」という状況自体、あまり褒められた話ではありません。でも同時に、ここで止められて本当に良かったと、心から思いました。

当社では、

・意味が通じるか
・日本語として不自然ではないか
・表記として正しいか
・慣用的に問題ないか

といったところまで、できる限り確認するようにしています。

「そこまで細かく見なくても……」とお客様から言われることも、正直あります。

でも、印刷事故が起きてからでは、取り返しがつきません。

特に、防災や災害の記録のように、長く残り、信頼性が求められる資料であれば、なおさらです。

「twelfth」は、英語のちょっとした豆知識かもしれません。
でも、その裏側にあるのは、
「思い込みは一番危ない」
「それっぽい、が一番見落とされる」
という、制作物すべてに共通する話です。

200ページ近い仕事でも、最後の1ページ、最後の1単語まで、気を抜かない。

完成度の差は、こうした「小さな違和感」に気づけるかどうかの積み重ねで生まれるのだと思っています。


株式会社ユー・エス・エスは、社内報・広報誌・報告書・Web原稿などの制作において、こうした細かな表記や言い回しまで含めた校正・チェックを大切にしています。
英語表記や固有名詞、数字や記号の扱いなど、「意味は通じるけれど間違っている」表現を見逃さないためのチェック体制で、印刷物やWebコンテンツの品質を支えています。

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