株式会社ユー・エス・エス/上田写真製版所 ブログ

文字校正
2026/1/21

◆ 校正で押さえておきたいチェックポイント⑬「どこまで」「いつの」話かが省略されていないか

― 事実は合っていても、誤解を生まない表現にする



こんにちは。
東京・文京区 護国寺の文字校正が得意なデザイン会社、株式会社ユー・エス・エスです。

社内報や広報誌の校正で、実務上とても多いのが
「数字も事実も間違っていないのに、あとから説明が必要になる原稿」です。

これは誤字脱字の問題ではありません。
多くの場合、
“条件・範囲・前提”が文章の中で省略されていることが原因です。

この記事でわかること

この記事では、

  • 事実が正しくても誤解が生まれる仕組み
  • 社内報で特に起きやすい「条件抜け」のパターン
  • 校正の段階でどこを見れば防げるか

を、実務の目線で整理します。


■ 社内報は「前提を共有していない読者」が読む

社内報の書き手は、
「みんな分かっている前提」で文章を書きがちです。

しかし読者は、

  • 他部署の人
  • 後から読んだ人
  • 異動してきた人

など、前提を共有していないケースが多いのが実情です。

そのため、

売上が伸びました
過去最高を記録しました
全社で導入されました

といった表現は、
書き手の意図とは違う範囲で受け取られる可能性があります。

■ 「事実」と「伝わる事実」は違う

例えば「売上が伸びた」という事実があっても、

  • 全社なのか、一部事業なのか
  • 年間なのか、四半期なのか
  • 数量なのか、金額なのか

が書かれていなければ、
読み手の頭の中では勝手に補完された別の事実が作られてしまいます。

校正の役割は、
「数字が合っているか」だけでなく、
「読み手が同じ事実を思い浮かべるか」を確認することです。


✏️ 校正例:範囲が抜けている場合

Before
今年度は売上が大きく伸びました。

After
今年度は、国内事業の売上が前年同期比で大きく伸びました。

👉 数字がなくても、「範囲」と「比較対象」を入れるだけで意味が固定されます。

✏️ 校正例:比較の基準があいまいな場合

Before
このセミナーは過去最高の参加者数となりました。

After
このセミナーは、当社主催の同種セミナーの中で過去最高の参加者数となりました。

👉 「業界全体」と誤解されるリスクを防ぎます。

■ 校正で見るべき実務ポイント

校正では、次のような言葉が出てきたら要注意です。

  • 増えた/減った
  • 過去最高/初めて
  • 全社で/すべての
  • 大きく/多くの

これらはすべて、
条件がないと意味が曖昧になる言葉です。

そのままにせず、

いつの?
どこまで?
何と比べて?

と問い直すのが、校正の視点です。


■ FAQ(よくある質問)

Q1|事実が合っていれば、校正ではOKと判断してよいのでは?
A|いいえ。校正では「その事実が、読み手に正しく伝わる形で書かれているか」を確認します。条件や前提が抜けていると、事実が誤って理解される可能性があります。

Q2|「売上が増加した」といった表現で、校正者は何を確認しますか?
A|「いつと比べて」「どの範囲で」「何が」増えたのかが本文中で特定できるかを見ます。比較条件が読み取れない場合は、確認や補足を入れます。

Q3|社内報の校正でも、ここまで厳密に見る必要がありますか?
A|あります。社内でも部署や立場によって前提知識が異なるため、条件が省略されていると誤解や問い合わせにつながるからです。

Q4|条件が抜けているかどうかは、どうやって見抜けばいいですか?
A|その一文だけを切り出して読んだときに、「いつの」「どこまでの」話なのかが分かるかを確認します。分からなければ、条件が省略されています。


まとめ

社内報の校正は、
事実をそのまま並べる仕事ではありません。
読者が同じ事実を正しく受け取れる形に整える仕事です。

「どこまで」「いつの」「何について」なのかを補うことで、
社内報はより正確で、信頼される情報になります。


株式会社ユー・エス・エスでは、
社内報や広報誌の文字校正・編集サポートに加え、
既存のデザイン制作、取材・編集・撮影、Webページ制作、動画作成まで幅広く対応しています。

文章の正確さと読みやすさ、
誌面デザインやビジュアル表現を切り離さずに一体で考え、
「読みやすく」「誤解のない」社内報づくりを制作と校正の両面からサポートします。

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