
✅概要
挨拶状・通知文・お知らせ文で迷う「吉日」「末日」「具体日付」。
ビジネス文書の冒頭日付をどう書くべきか、文書の目的別にわかりやすく整理しました。
こんにちは。東京・護国寺を拠点に、社内報や広報誌づくりをトータルで支えるデザイン会社、株式会社ユー・エス・エスです。
広報文書や社内向けのお知らせ、通知文の制作をご支援する中で、しばしばいただくご相談があります。
実はこの“冒頭日付の書き方”には、文書の目的や性質に応じた明確な判断基準があります。
本記事では、広報・総務担当者の方が迷いやすい 「吉日」「末日」「具体日付」 の使い分けを、実務に基づいてわかりやすく整理して解説します。
「吉日(きちじつ)」は“めでたい日”を意味し、儀礼的・慶事用途に限定されます。
使用される代表的な文書は——
いずれも“ハレの文書”であり、冒頭日付をあえて「〇月吉日」とすることで、儀礼性や品格を表す効果があります。
→ 一方で、通知文・お知らせ文・業務文書に吉日は使用しません。
“発行日があいまいになる”ためです。
ここからが本題です。
通知文・案内文・業務連絡文では、冒頭日付を 「末日」または「具体日付」 のどちらかで記載します。
ただし「末日が万能」というわけではありません。
文書の目的によって、次のように 選び方が変わります。
文書の冒頭日付は、案内の性質や目的によって「◯月末日」「◯月◯日」を使い分けます。
社内アンケートのお知らせは、ビジネス文書の中でも“柔らかい通知文”に分類されるため、発行日が厳密でなくても問題ないケースが多く、文書冒頭に 「◯月末日」 と記載しても自然です。
一方で、
この文書も、通知文として一般的なケースであり、冒頭日付の重要度によって
「◯月末日」と「◯月◯日」を使い分けるのが適切です。
業務フロー変更のお知らせは、“変更の開始日がいつか” が読み手にとって最も重要です。
そのため、運用開始日がすでに確定している場合や、発行日と紐づく業務がある場合は、
文書冒頭に 具体的な「◯月◯日」 を記載することで誤解を防げます。
一方で、
こちらも通知文としてよく使われる文書であり、冒頭日付の扱いは次のように判断します。
休業日程のお知らせは、読み手が 「いつ情報が発信されたか」 を基準に動く場合があり、
冒頭日付は文書の信頼性を左右する要素になります。
社内向けの簡易周知(例:社内イベントや臨時休館など)であれば、
発信日を正確に指定する必要はなく、
文書内の“月内告知”を示すための「◯月末日」 が自然です。
しかし、次のような場合は具体日付が必須になります。
こうしたケースでは、冒頭に 「◯月◯日」 と明記し、発行日の特定性を担保します。
→ 通知文では「末日」か「具体日付」。吉日は使用しない。
これが冒頭日付の基本ルールです。
| 文書の種類 | 冒頭日付の正しい表記 | 不向きな表記 |
|---|---|---|
| お祝い・儀礼文 | 吉日・具体日付 | 末日 |
| 通知文・案内文 | 末日 or 具体日付 | 吉日 |
| 契約・法務文書 | 具体日付 | 吉日・末日(曖昧な場合) |
文書右上の日付は、読み手にとっての“重要度”で選ぶことが最も大切です。
と覚えておけば、ほとんどの文書に対応できます。
A. 吉日は儀礼文(就任挨拶、移転案内、季節の挨拶など)に限って使用します。
通知文・お知らせ文・業務連絡などの実務文書では、日付の特定が必要なため使いません。
A. 通知文・案内文など“月内発信”が分かれば足りる文書に向いています。
ただし、発行日がエビデンスとなる文書では「具体日付」が必須です。
A. 発効日・変更日・締切など、発行日の厳密さが業務に影響する文書です。
契約・請求・法務関係は必ず具体日付で記載します。
A. あります。
例えば、「回答期限が発行日から◯日以内」「発行日とスケジュールが連動している」など、読み手の行動判断に日付が影響する場合は具体日付が適切です。
A. “読み手にとって発行日が重要かどうか”を基準にします。
重要であれば具体日付、重要でなければ末日、儀礼文なら吉日が基本です。
ユー・エス・エスでは、広報文書・通知文・挨拶状・社内報など、
文章校正からデザイン制作まで一貫してサポート しています。
文書の「日付の書き方」ひとつでも、伝わり方や印象は大きく変わります。
制作の現場で培ってきた経験をもとに、文書の目的に合わせた表記や表現を、
読み手にとってわかりやすく、誤解のない形に整えるお手伝いをしています。
文書づくりに関することは何でもお気軽にご相談ください。