株式会社ユー・エス・エス/上田写真製版所 ブログ

ー豆知識

クリスマス前の贈りもの──「Toy for Tots」に見る、伝える想い

クリスマス前の贈りもの──「Toy for Tots」に見る、伝える想い
クリスマス前の贈りもの──「Toy for Tots」に見る、伝える想い


こんにちは。
東京文京区護国寺にある、広報誌の企画から取材撮影、編集デザイン、文字校正、印刷&Web展開までトータルでお手伝いしている株式会社ユー・エス・エスです。

今回の記事は、当社に職場体験にいらした方が書いてくれた原稿をもとに作成しています。
当社では、東京しごとセンター様を通じて、女性を対象とした職場体験を継続的に受け入れています。2025年10月までにのべ385名の方が参加し、それぞれの新しい一歩を応援してきました。

街のショーウィンドウに、クリスマスの飾りが並びはじめました。
11月の冷たい空気の中で、ツリーの灯りが少しずつ街を温めていきます。

人に「機会」を贈ることも、ひとつの“贈りもの”。
そんな想いから、この冬は海外の寄付文化「Toy for Tots(トイ・フォー・トッツ)」をご紹介します。
日本ではあまり知られていませんが、アメリカでは70年以上続く、心温まる取り組みです。

●一通の手紙から始まった、思いやりの輪

「Toy for Tots」は、1947年にアメリカ・ロサンゼルスの海兵隊少尉によって始まりました。
きっかけは、サンタクロース宛てに届いた一通の手紙。
差出人は、貧しい家庭の子どもたちでした。

その手紙を読んだ少尉は、“誰かがサンタの代わりにならなければ”と感じ、
仲間たちとおもちゃを集めて孤児たちに届けたのです。
その小さな行動が評判を呼び、翌年から全米の海兵隊で正式な活動となりました。

「Toy for Tots」という名前には、
「子どもたち(Tots)におもちゃ(Toys)を」という願いが込められています。
毎年クリスマス前になると、アメリカのスーパーや郵便局、モールの一角に大きな寄付箱が置かれます。
誰でも立ち寄って、新しいおもちゃをひとつ箱に入れるだけ。
たったそれだけの行動が、子どもたちの笑顔を生み出します。

●贈るという行為のなかにある“時間”

Toy for Totsでは「新品のおもちゃを寄付する」ことがルールです。
それは、もらう子どもたちに“自分のための贈りもの”という喜びを感じてほしいから。寄付というより、プレゼントを贈る気持ちに近いのかもしれません。

おもちゃを選ぶ時間、ラッピングをほどく瞬間。
どちらにも、人の想いがこもっています。
贈りものとは、単なる“物”ではなく、“誰かを思う時間”そのもの。

お金の寄付ももちろん尊いけれど、
相手を思い浮かべながら選ぶ手間には、心の温度があります。
アメリカでは、見知らぬ誰かに贈りものをするこの習慣が、人と人の距離をやさしくつなげています。

●“贈る心”と“伝える仕事”

誰かに何かを伝えるとき、私たちはいつも「相手」を思い浮かべます。
広報誌の言葉を選ぶときも、パンフレットの写真を整えるときも、
そこには「どうすれば届くか」という気持ちがあります。

Toy for Totsのように、贈る相手の笑顔を思い浮かべながら、最適な表現を選ぶ。それは、私たちの仕事にも通じる感覚です。

“伝える”ことと“贈る”こと。
どちらも、相手への思いやりから始まります。
形は違っても、届けたい気持ちは同じです。

●ものづくりは、静かな贈りもの

街のイルミネーションが灯ると、人の手でつくる“あたたかさ”がいっそう際立ちます。おもちゃを箱に入れる手も、チラシをデザインする手も、どちらも「誰かのために」という気持ちに動かされています。

贈ること。
伝えること。
そのどちらにも、人の温度があります。

今年の冬も、私たちは“伝わる表現”というかたちで、
静かな贈りものを届けていきたいと思います。

「Toy for Tots」
「Toy for Tots」

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