
こんにちは。
東京文京区護国寺にある、広報誌の企画から取材撮影、編集デザイン、文字校正、印刷&Web展開までトータルでお手伝いしている株式会社ユー・エス・エスです。
(今回のブログは、職場体験に参加された方が書いた原稿をもとに、USSスタッフが再構成しました。)
文京区の高台にある「湯島天神(湯島天満宮)」といえば、学問の神様・菅原道真公をまつる神社として知られています。合格祈願に訪れる受験生で、境内がにぎわう冬の光景を思い浮かべる方も多いかもしれません。
けれど、この神社にはもうひとつの顔があります。秋、境内をあざやかに彩る「菊まつり」です。
2025年(令和7年)の開催は、11月1日(土)から11月23日(日・祝)まで。
拝観は無料で、朝6時から日没まで。早朝には清々しい空気の中で、開き始めた花々をゆっくりと眺めることができます(夜間照明はありません)。
この季節、境内には約2,000株もの菊が並びます。
白や黄、紫、紅——色とりどりの花が石畳を包み込み、まるで光の絨毯のよう。訪れるたびに違う表情を見せてくれるのも魅力のひとつです。
なかでも注目なのが、一本の茎から数百輪の花を咲かせる「千輪咲(せんりんざき)」や、滝のように流れる「大懸崖(だいけんがい)」、そして物語の世界を花で表現した「菊人形」。
職人が一年をかけて育てた花々は、どれも丁寧に手入れされ、見事なタイミングで満開を迎えます。
まさに、人の技と自然の調和が生んだ“生きた芸術”です。
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湯島天神の菊まつりは、昭和30年代に地域の有志によって始まりました。
戦後の復興期、まちを元気にしようと立ち上がった人々が、力を合わせて花を育てたのがきっかけです。今では文京区を代表する秋の行事となり、地元の園芸家や企業、学校も協力して開催されています。その背景を知ると、花を眺める時間が、どこかあたたかく感じられるかもしれません。
菊は、もともと奈良〜平安時代に中国から伝わり、「不老長寿の象徴」とされてきました。9月9日の「重陽(ちょうよう)の節句」では、菊酒を飲んで長寿を祝う風習もあったそうです。湯島天神で咲く菊の中でも、特に人気なのが「江戸菊」や「巴錦(ともえにしき)」。江戸菊は花びらが反り返ったりねじれたりして、どこか職人の“粋”を感じさせます。巴錦は白や紫が混ざり合うグラデーションが美しく、写真映えも抜群です。
神社の石段をのぼり、鳥居をくぐると、ふわっと菊の香りが漂います。
晴れた日には、青空と花のコントラストがなんとも爽やか。
合格祈願の絵馬が並ぶ一角では、受験生たちの願いとともに、花が静かに見守っているようです。
“受験だけじゃない”——湯島天神には、人と花が季節をつなぐ物語が息づいています。
観賞のあとは、境内近くの甘味処やカフェでひと休みを。
湯島天神のすぐそばには、上野公園や不忍池、神田明神などもあり、秋の散歩コースとしてもおすすめです。
カメラ片手に、ゆっくりと秋の東京を歩いてみませんか。
住所:東京都文京区湯島3-30-1
期間:2025年11月1日(土)〜11月23日(日・祝)
時間:6:00〜日没(夜間照明なし)
拝観料:無料
アクセス:東京メトロ千代田線「湯島駅」徒歩2分
花は見られるために咲くのではなく、季節を伝えるために咲く。
人の手が添えたそのひと輪に、湯島の秋が息づいています。
通り抜ける風の中で、静かに季節を感じてみませんか。
株式会社ユー・エス・エスは、
広報誌やパンフレットの写真やデザインを通して、
“心に残る一枚”となる表現づくりをお手伝いしています。