
こんにちは。
東京文京区・護国寺にある、広報誌の企画から取材撮影、編集デザイン、文字校正、印刷&Web展開までトータルでお手伝いしている株式会社ユー・エス・エスです。
急に朝晩の空気が冷たくなり、クローゼットの奥からコートを取り出す季節になりましたね。
11月12日は「洋服記念日」ですが、ご存知でしょうか。あまり知られていませんが、日本が“和服の国”から“洋服の国”へと歩みを始めた日なんです。
(今回のブログは、職場体験で来てくれた方が書いた原稿をもとに、USSスタッフが再構成しました)
1872年(明治5年)のこの日、政府は「礼服ニハ洋服ヲ採用ス」と布告を出しました。
当時、まだ多くの人が着物で暮らしていた時代。洋服を着るというのは、それだけで「新しい社会へ踏み出す勇気」の象徴でした。
明治の人たちにとっての“洋服”は、未来への憧れ。
やがてスーツが仕事着となり、戦後の日本では「スーツ=働く姿」の象徴に。
そして令和のいま。
オフィスカジュアル、リモートワーク、ジェンダーレス、サステナブル素材……
私たちはもう、誰かが決めた「正解の服」に縛られなくなりました。
「服装の自由」は、「働き方の自由」と重なっています。
どんな装いを選ぶかは、自分をどう見せたいか、どんな一日を送りたいかの表れ。
朝、クローゼットの前で「今日はどれを着よう?」と考える時間。
実はあれが、気持ちのスイッチを入れる大切な儀式なのかもしれません。
お気に入りのブラウスを着ると背筋が伸びる。
落ち着いた色のジャケットを羽織ると、心まで整う気がする。
心理学では「エンクロージング・コグニション(着衣認知効果)」と呼ばれ、
服装が思考や行動に影響を与えるといわれています。
服を整えることは、心を整えること。
「今日はちょっと強気でいこう」と思えば黒いスーツを、
「柔らかく話したい」と思えば淡い色を選ぶ。
服は、言葉を使わないメッセージなんですね。
企業の制服もまた、文化の一部です。
伝統ある制服を守る会社もあれば、
Tシャツやパーカーで仕事をする会社もある。
どちらにも「その会社らしさ」が表れています。
大切なのは、どんな服でも“心地よく働ける”こと。
それが、150年前の「洋服採用」の精神とつながっている気がします。
150年前、明治の人たちは新しい服を通して、新しい時代を生きようとしました。いま、私たちは日々の服を通して、自分らしい働き方を選んでいます。
11月12日の「洋服記念日」は、そんな“装いの意味”を見直す日にしてみてもいいかもしれません。
朝、クローゼットを開けて、こう問いかけてみましょう。
「洋服記念日」は、身近でポジティブなテーマだからこそ、企業の広報やPRにも活かしやすい日です。
記念日をきっかけにした発信は、季節感や社会的な話題性を取り入れやすく、
メディアやSNSでも共感を呼びやすいといわれています。
「由来や背景を紹介する」だけでなく、「自社らしいストーリー」と組み合わせることで、日常の話題を企業のメッセージへと変えることができます。
広報活用のステップとしては、次のような流れが効果的です。
たとえば、制服リニューアルを「働き方改革」や「サステナブル素材の採用」と結びつけて紹介したり、社員の私服スタイルから“企業の雰囲気”を伝えたりといった取り組みも効果的です。
「装い」を通じて企業文化や価値観を伝えることは、採用やブランドイメージの向上にもつながります。
自社の“装い”をどう見せたいか――それを考えることは、
「どう働きたいか」「どう社会に見られたいか」を考えることでもあります。
記念日をきっかけに、自社らしい表現や発信の形を見直してみてはいかがでしょうか。
服を選ぶように、企業も“どんな印象で見せるか”をデザインしています。
USSは、広報誌の企画・取材撮影・編集デザインを通して、
企業の“らしさ”を伝えるお手伝いをしています。
・由来:1872年(明治5年) 太政官布告「礼服ニハ洋服ヲ採用ス」
・意味:日本が“和服中心の暮らし”から“洋服文化”へと歩みを始めた象徴の日
・現在も東京都洋服商工協同組合による記念式典が明治神宮で開催されている