玉串奉奠(たまぐしほうてん)って何?初めてでも安心のマナー解説
■玉串奉奠(たまぐしほうてん)って?
こんにちは。
先日、初めて神社葬に参列しました。仏式のお焼香なら経験がありましたが、神社式と伺って「どう振る舞えばいいんだろう」と戸惑ってしまったんです。
同じように不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、神道の儀式に欠かせない「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」について、基本の流れやマナーをわかりやすくまとめてみました。
神社のお祭りや神道式のお葬式(神社葬)では、この「玉串奉奠」が参列者一人ひとりに求められる大切な作法です。初めての方でも安心できるよう、順を追ってご紹介していきます。
■玉串奉奠とは?
玉串(たまぐし)とは、榊(さかき)の枝に紙垂(しで)や布を付けたもののこと。榊は「神と人とをつなぐ木」とされ、紙垂は清浄を表しています。
これを神前に捧げ、拝礼する一連の作法が「玉串奉奠」です。
仏式でいう「焼香」と同じく、参列者一人ひとりが心を込めて祈りを捧げる大切な所作です。
いつ行うの?
- 神道式のお葬式(神社葬・神葬祭)
- 地鎮祭や上棟式など、神様に祈りを捧げる祭祀
- 結婚式などの人生儀礼
葬儀での玉串奉奠は特に多く、参列者に順番が回ってきたら、神職から玉串を受け取って行います。
■玉串奉奠の基本的な流れ
1. 玉串を受け取る
- 神職から玉串を両手で受け取ります。
- 右手で根本を上から、左手で枝先を下から支える形で持ちます。
- 胸の高さに水平に保ちます。
玉串を受け取る
2. 神前へ進む
- 玉串を持ったまま供え台(玉串案)の三歩手前で一礼。
- さらに案の前に進み、もう一度軽く一礼します。
3. 左右の手を入れ替える
- 玉串を立てるようにして、左手で根本を下から持ち、右手を枝先の下に添えるようにします。
左右の手を入れ替え
4. 玉串を神前に供える
- 胸の高さで玉串を持ち、時計回りに180度回して根本を神前に向ける。
- 枝先が自分側、根本が神前を向く形になったら、供え台に静かに置きます。
時計回りに回して枝先を神前へ
5. 二礼
- 供え終えたら、姿勢を正して深く二回お辞儀をします。
6. 二拍手(場面に応じて)
- 【祝いの場(結婚式・地鎮祭など)】 → 音を立てて二拍手をします。
- 【葬儀(神葬祭)】 → 音を立てずに静かに手を合わせる「忍び手」で静かに祈ります。
7. 一礼
- 最後にもう一度、深く一礼。
- 数歩下がってから向きを変え、自席に戻ります。
二礼 → 二拍手 → 一礼
■玉串奉奠で気をつけたいマナー
- 動作はゆっくり丁寧に
焼香と同じで「回数や順序を間違えたらどうしよう」と不安になりますが、気持ちを込めて丁寧に行えば大丈夫。 - 服装は仏式と同じ喪服でOK
神道式だからと特別な服装は必要ありません。 - 拍手は音を立てない
通常の参拝では柏手を打ちますが、葬儀では静かに手を合わせます。 - 「御玉串料」と表記する
仏式では「御香典」ですが、神道式では「御玉串料」となります。
焼香との違いを知っておくと安心
- 仏式 → 線香の香りで心身を清め、故人に手を合わせる
- 神道式 → 榊の枝(玉串)を捧げ、神前に祈りを捧げる
いずれも「心を込めること」が一番大切で、多少の作法の違いを気にしすぎる必要はありません。
初めてでも大丈夫
多くの方が玉串奉奠に不安を感じるのは、やり方を知らないからです。実際の式では、神職や葬儀社の方が丁寧に案内してくれます。順番が来たらその流れに従えば十分。
大切なのは「故人を偲び、祈りを込める心」です。作法はその気持ちを形にするためのもの。安心して臨んでください。
まとめ
- 玉串奉奠は、榊に紙垂を付けた玉串を神前に捧げて祈る作法。
- 神道式のお葬式では、焼香の代わりに行われる。
- 流れは「受け取る → 供える → 拝礼」。
- 葬儀では拍手を音を立てない「忍び手」にする。
- 気持ちを込めて丁寧に行えば十分。
最近は神道式の葬儀に参列する機会は少ないかもしれませんが、知っているだけで落ち着いて臨めます。いざというときのために、玉串奉奠の意味とマナーを心に留めておきましょう。
参考