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◆AIの「ハルシネーション」とは?〜便利なAIに潜む“本当みたいなウソ”と、その防ぎ方〜

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AIの「ハルシネーション」って知ってる?

こんにちは。
東京文京区 護国寺 の 文字校正が得意なデザイン会社、株式会社ユー・エス・エスです。

最近、仕事でもプライベートでも「AI」を使う機会が増えています。
文章の下書きを作ってくれたり、アイデアを出してくれたり、資料の見出し案まで考えてくれたり…。特にオフィスワーカーにとって、AIは頼もしい味方ですよね。

でも、そんなAIにも大きな弱点があります。
それが「ハルシネーション(hallucination)」と呼ばれる現象です。
もともと英語では「幻覚」という意味ですが、AIの世界では少し違った使い方をします。

簡単に言えば、“本当みたいなウソを作ってしまうこと”
しかも、非常にもっともらしく、信じてしまいそうな形で出てくるので厄介です。


日常生活でのハルシネーション例

まずは仕事ではなく、身近な例から見てみましょう。

  • レシピの例
     AIに「簡単なプリンの作り方」を聞いたら、卵と砂糖の分量が明らかに少なく、実際に作ってみると固まらなかった。文章としては整っていても、レシピとしては間違っている。
  • 雑学の例
     「○○という祭りの起源は?」と聞いたら、存在しない年号や人物が出てきた。まるで本当の歴史のように書かれていたので、危うく信じてしまいそうになった。
  • 天気やニュースの例
     最新の台風情報を聞いたら、数日前の古い情報が返ってきた。情報が更新されていない場合もある。

日常のちょっとした会話や調べ物なら、笑い話で済むかもしれません。
でも、これがビジネスの場面だったらどうでしょう?


ビジネス現場での具体例(広報担当者編)

AIのハルシネーションは、広報やオフィスワークの現場でも起こります。

  1. 社内報の記事作成で
     AIに「来月の全社会議の日程」を聞いて原稿に書いたが、実際には変更されていて間違った日程を掲載してしまった。
     配布後に「間違っている」と指摘が入り、回収やお詫び対応が必要に。
  2. プレゼン資料で
     市場規模の数字をAIから引用したが、出典が不明で、後から調べてもそのデータが存在しなかった。
     役員会議で「この数字はどこから?」と聞かれ、答えられず信用を失った。
  3. プレスリリースで
     自社の創業年表に、AIが自動で作った存在しないイベントが入っていた。
     しかも文章の流れに自然に溶け込んでいて、校正がなければ気づけなかった。

このように、ハルシネーションは情報発信の正確さを脅かします。
一度誤った情報を世に出すと、企業の信用回復には多くの時間と労力がかかります。


なぜAIは間違えるのか?

AIは人間のように「知っている・知らない」を判断しているわけではありません。
過去の文章やデータを学習し、そのパターンから「それらしく見える文章」を生成しているに過ぎません。

  • 本物そっくりに見せるのは得意
  • でも、事実確認はしていない
  • 最新情報や専門的な数字は誤りやすい

つまり、AIは「とても優秀な文章作成マシン」ですが、「真実を保証する存在」ではないのです。


間違いを防ぐためのチェック方法

では、どうすればハルシネーションによるミスを防げるのでしょうか?

  1. 出典を確認する
     AIが出した数字や事実は、必ず公式サイトや一次情報で裏付けを取る。
  2. 社内ルールを作る
     「AIが作った文章は必ず人が校正する」と決め、誰が最終確認するかを明確にする。
  3. 特に注意が必要な情報を把握する
     数字、統計、日付、人名、法令、医療関係は誤りやすいので、優先的にチェックする。
  4. 複数の情報源で照合する
     1つのサイトやAIだけでなく、複数の信頼できる情報を突き合わせて確認する。

AIを正しく使えば強力な味方に

AIはあくまで「道具」です。
事実確認と人の判断を組み合わせれば、業務を大幅に効率化できます。

例えば、

  • 下書き作成はAIに任せる
  • 事実確認と文章の整えは人が行う
    という分業をすれば、スピードも正確さも両立できます。

まとめ:AI活用と人の目の両立を

AIは文章や資料づくりをぐっと効率化してくれますが、「本当みたいなウソ」を見抜くのは、やはり人の役割です。
広報誌や社内報、プレスリリースなど、企業の信用に直結する情報発信では、誤りのない文章と正確なデータが欠かせません。

当社では、AIを使った下書きからでも、事実確認・校閲・デザインまで一貫して対応いたします。
「AIは便利だけど、間違いが怖い…」という方も、安心してご相談ください。

AI活用と人による品質保証を組み合わせた、安全な情報発信をお手伝いします。

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