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— サステナビリティレポート

◆第2回|CSRとサステナビリティレポート、何がどう違うの?

CSRとサステナビリティレポート、何がどう違うの?
CSRとサステナビリティレポート、何がどう違うの?


こんにちは。
東京文京区護国寺の文字校正が得意なデザイン会社、株式会社ユー・エス・エスです。

前回は「サステナビリティレポートって何?」という基本をお伝えしました。
今回はよく混同されがちな「CSR(企業の社会的責任)」と「サステナビリティ」の違いについて、わかりやすく解説します。

■ CSRって、もう古い考え方?

まず「CSR」は Corporate Social Responsibility(企業の社会的責任) の略です。ひとことで言えば、「社会の一員として会社が果たすべき責任」を果たすこと。

たとえば、あなたの会社でも思い当たることがあるかもしれません。

  • 地域の清掃活動に参加している
  • 社内でペットボトルや紙を分別している
  • 定期的に社員研修を行っている
  • 女性社員のために制服や働き方を見直した

これらはすべてCSR活動の一環です。
社会に配慮し、“良い会社”を目指す姿勢こそがCSRの本質です。

■ サステナビリティは“経営の一部”になってきた

では、サステナビリティ(Sustainability)とは何でしょうか?

CSRと似ているようで、実はちょっと違います。
サステナビリティは、社会や環境への配慮を、経営戦略の中に取り込んでいこうという考え方です。

単に「社会貢献をする会社」ではなく、
持続可能な社会の実現と、自社の成長を両立させる取り組みがサステナビリティなのです。

■ CSRとサステナビリティの違い、ざっくり比較すると

比較項目CSR(企業の社会的責任)サステナビリティ
目的社会や地域への貢献社会・環境と調和した企業の持続的成長
内容ボランティアや社内活動中心ESG(環境・社会・ガバナンス)を軸に幅広く展開
対象社内・地域住民取引先・投資家・社会全体
実行部門総務やCSR担当が中心経営戦略に直結、全社での取り組みが必要
数値目標(KPI)あまり求められない数値での目標設定・進捗報告が求められる
CSRとサステナビリティの違い


■ 実は「言い換え」だけで見え方が変わる!

CSRとサステナビリティは共通する取り組みも多く、表現を少し工夫することで、印象が大きく変わります。

以下は、よくあるCSR活動をサステナビリティの視点に立って表現した例です。

従来のCSR表現サステナビリティ経営の視点での表現
地域清掃に参加しました地域との共生を重視し、環境保全活動を継続的に実施しています。
LED照明に変えました脱炭素社会に向けたエネルギー効率の改善に取り組んでいます。
ごみの分別を徹底しています廃棄物削減と資源循環の推進により、環境負荷の低減に努めています。
女性社員が活躍していますダイバーシティ推進の一環として、女性管理職の育成と登用を強化しています。
制服を見直しました(パンツスタイルなど)働きやすさとジェンダー平等に配慮した職場環境の整備に取り組んでいます。
CSR活動をサステナビリティの視点に立って表現した例


このように、表現を工夫することで経営戦略としての意図が伝わりやすくなり、社外へのアピール力も高まります

■ CSRは“終わり”じゃない、“入り口”です

「CSRはもう古い」「今はサステナが主流」
そんなふうに思われがちですが、それは誤解です。

CSRは今でも重要な役割を果たしています。
サステナビリティの最初の一歩として、CSR活動をどう整理し、どう伝えるかが問われています。

特に、上場していない企業にとっては、まずはCSR活動を棚卸しして、
「これをどのようにサステナビリティとして発信できるか?」を考えることが、最初のステップになります。

▶ まとめ

  • CSRは「社会に良いことをする」姿勢
  • サステナビリティは「会社を持続可能にする」戦略
  • 実は両者は重なる部分が多く、「言い換え」だけで印象が変わる
  • 上場していない企業でも、取引先や地域から「サステナビリティの視点」が求められている

▶ 次回予告

次回は、上場していない企業でもサステナレポートが求められる理由についてお話しします。

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