こんにちは。
東京・護国寺の文字校正が得意なデザイン会社、株式会社ユー・エス・エスです。
年賀状や正式な書類、封筒の宛名などで縦書きをする際、住所や階数などの数字を漢数字で書く場面が多くあります。縦書きの文章でふと目に入った「一一階」という表記。 「十一階」のことだとわかるはずなのに、なんだか一瞬「二階?」と読み間違えそうになった——そんな経験はありませんか?
漢数字の表記には、思わぬ読み間違いや混乱のもとになる落とし穴があります。この記事では「一一階」表記の問題点を通して、漢数字を使う際に気をつけたいポイントを解説します。
「十一階」は「10+1=11階」を表す一般的な漢数字表記です。
一方、「一一階」も同じく「11階」の意味で用いられることがありますが、縦書きでは「一」が上下に並ぶため「二」と誤認されやすく、視覚的に非常に紛らわしい表記です。
横書きではこのような並び方にならないため、「一一階」と表記されることはほとんどありません。この問題は、縦書き特有のレイアウトや書式の影響によるものと考えられます。
これは主にデザインや表記の統一性において、縦書きで「十一」と書くと「十」の横幅でバランスが崩れるため、また、数字を一字ずつ「一一」と並べて見た目を揃えたり、数字を強調したい場面で使われることがあります。
しかし、意図がどうあれ、可読性が損なわれるなら見直すべきです。
住所や番地では「十」や「百」を省略するのが正式マナーとされる場合もありますが、誤読を防ぐためには「十一」「十二」としっかり書くのが親切です。
例:十一階
百二十番地
読みづらい場合や誤解の恐れがある場合は、すべて算用数字(1、2、3…)で統一するのも有効です。
ただし、マナーや相手によっては漢数字が求められることもあるため、状況に応じて使い分けましょう。
文脈とバランスを意識する
住所や階数など、数字が連続する部分は特に注意して、読み手が迷わないように表記しましょう。必要に応じて、補足説明や括弧を使うのも一つの方法です。
「十一階」や「一一階」といった表記の話題に関連して、もう一つ気になるのが「〇(ゼロ)」の使い方です。
たとえば、以下のような表記を見かけたことがあるかもしれません。
百二〇(120)
一〇一(101)
結論から言えば、このような「〇」を使った漢数字の表記は一定の場面では正当なものです。ただし、使い方にはいくつかの注意点があります。
「〇」は、縦書きの文章や公的文書、書類番号などでよく使われます。特に数字を1桁ずつ明確に示したいとき、ゼロを「〇」と表記することで統一感を出すことができます。
例:昭和五〇年一〇月二八日
第〇〇一号室
百二〇円
このように、形式的で視認性が求められる文書では「〇」を使うことに合理性があります。
ただし、一般的な読み物(小説・エッセイ・ブログなど)では「百二十」「101」といった通常表記の方が自然です。
また、「〇」はフォントによっては「○(記号)」や「0(ゼロ)」と区別がつきにくく、読みづらくなる場合もあります。
表記 | 使用の可否(目安) | 用途の例 |
百二〇 | ⚠️限定的に可 | 縦書き、帳票、公文書など特殊な書式 |
一〇一 | ⚠️ 限定的に可 | 縦書き、書類番号、住所の番地など |
百二十 / 101 | ✅推奨 | 一般文書、記事、ブログ、小説など |
文の目的や読み手に応じて、「〇」を使うかどうかを選ぶことが、読みやすく伝わる文章への第一歩です。
「一一階」のように、見た目の整えやデザインの工夫として用いられる表記でも、読み手に誤解を与えるようであれば本末転倒です。
表記を選ぶときは、「かっこいいかどうか」「整って見えるか」だけではなく、「正確に伝わるか」「誤読されないか」を意識することが大切です。
漢数字の使い方ひとつで、読みやすさも、文章の信頼感も大きく変わります。
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