こんにちは。
東京文京区護国寺の文字校正が得意なデザイン会社、株式会社ユー・エス・エスです。
社内報や広報誌をつくるとき、つい何気なく使った言葉が、読み手によっては差別的・不快に受け取られてしまうことがあります。
「そんなつもりはなかった」と説明しても、受け手に嫌な印象を与えてしまえば、結果的に組織への信頼低下につながりかねません。だからこそ、校正の段階で“表現の妥当性”を確認する視点が欠かせないのです。
昔から使われてきた言い回しが、いまの時代にはふさわしくないことがあります。
例えば、役職や職業に性別を含む呼称が長らく用いられてきましたが、現在では「看護婦」ではなく「看護師」、「保母」ではなく「保育士」とするのが一般的です。言葉は社会の変化を映す鏡。“慣れているから”で残してしまうと、時代遅れの印象や配慮不足と見られるリスクがあります。
ここ数年、企業や社会では「言葉の使い方」を見直す動きが加速しています。
制度名称の見直し
「生理休暇」という言葉は利用をためらわせることがあるため、最近では「ウェルネス休暇」「ボディケア休暇」といった表現に変更する企業が出てきています。より包括的で前向きなネーミングにすることで、誰もが使いやすい仕組みになります。
翻訳業界の取り組み
英語の“policeman”を“police officer”に置き換えるように、日本語でも性別に依存しない言い方へシフトが進んでいます。広報資料や社内マニュアルにおいても、こうした考え方は重要です。
東京マラソンのnon-binary導入(2025年)
大会エントリーの性別欄に「男性」「女性」だけでなく「non-binary」を追加。性の多様性を尊重する配慮を、言葉の選択によって可視化した事例です。
これらはすべて、「言葉ひとつで受け手の感じ方は変わる」ということを示しています。
社内報は社員一人ひとりに届くもの。だからこそ、「読む人の立場でどう感じるか」を常に意識して表現を選ぶことが大切です。
たとえインタビューの原稿であっても、そのまま載せれば不適切に響く場合は調整が必要です。書き手・話し手の意図を尊重しながらも、読み手への配慮を優先することが編集・校正の役割です。
質問 | 回答 |
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意図がなければ問題ない? | 意図の有無にかかわらず、受け手が不快に感じる可能性があれば見直すべきです。 |
社員の発言だからそのまま載せたい…? | 個々を尊重しながらも、「読む人の感じ方」を考慮して調整することが大切です。 |
校正の際、具体的な基準はある? | 組織としての配慮基準を設け、チェックリスト化して共有するのがおすすめです。 |
差別的・屈辱的・ステレオタイプを助長する表現がないか
読んだ人がどう受け止めるかを想像しているか
最新の配慮事例(例:ジェンダーニュートラルな表現)を参考にしているか
校正担当以外の目(第三者の視点)も使っているか
「不適切表現」の判断は簡単ではありません。けれど、日々変わる社会の感覚に合わせて言葉を磨いていくことは、組織の価値観や姿勢を示す行為そのものです。
社内報や広報誌づくりを通して、社員同士が安心して読める言葉を選び抜くことは、企業文化の成熟にもつながります。