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中国語DTP

◆中国語の組版問題~現代中国語はなぜ縦組みではないか

現在、中国語の新聞をはじめとする書物は横組みになっています。
今回は、漢字表記である中国語が、縦組みでなく横組みである理由についてご説明いたします。

漢字の起源は、占いで使用され亀の腹甲に刻まれた甲骨文字でした。その際に亀の腹甲を持ちやすくするため、縦に刻まれたと言われています。以来、漢字は殷朝(紀元前17世紀頃-紀元前1046年)より竹簡から絹布、そして紙へ、4,000年にわたって縦組みの慣習で書かれていました。

1909年、『音韻記号』という本が出版され、初めての横組みの書物が現れました。この本で、中国語漢字の発音に初めてアルファベットを使用し、音節を音素文字に分けて表す「拼音(ピンイン)」という国際的な発音表記法が生まれました。
1955年、『光明新聞』が「横組みは、今後の動向である」との特集記事を出し、縦組みから横組みに統一しました。当時の文学者や政治家も、「人間の視線の動きは、横組みの方が読みやすい」と横組みを提唱しました。これを機に全ての出版物は横組みが慣習となりました。

現在でもほとんどの書物は横組みですが、一方で「横組みは漢字の美しさを壊す」との批判もあり、中国の書道などでは縦組みで書かれています。
しかし、今の中国の人々はたいてい横組みに親しんでおり、逆に縦組みは読みづらいと言います。
ふだん読むものは横組み、漢字の伝統を守るものでは縦組みと、習慣と伝統によって使い分けられているようです。


最後に、中国の書物種類別の寸法・規格を示した表をご紹介します。ご参考までにご覧ください。

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